本講義では,最新のCFDソフトウェアを用いて、CFDの実用的応用についての講義および計算機演習を行います。
解析解や相間式が存在する基礎的な流動現象から始まって、工業装置における流動現象、最近の学術誌で取り上げられる流動現象を取り扱えるCFD運用力を身に着けることをねらいとします。
本講義を履修することにより、以下の能力が修得される。
(1) 流動現象を工学上有用な形でモデル化するための計算領域および計算格子の生成できる。
(2) 計算負荷と計算精度をバランスさせることができる。
(3) 熱および物質の移動を伴う流体計算を行える。
(4) 計算結果の評価方法および工学的応用方法について説明できる。
数値流体力学 (CFD)
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
トピックスごとに、まず基礎事項を解説し、その理解を高めることと工学上有用な形で流動現象をモデル化するCFD運用力を高めることを目的とする計算機演習を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 序論 | 数値流体力学の概略について説明できるようになる。 |
第2回 | CFDモデリングのワークフロー | CFDシミュレーションの流れを説明できるようになる。 |
第3回 | 円管内におけるニュートン流体および非ニュートン流体の層流および乱流 | ニュートン流体および非ニュートン流体の円管内層流および乱流のCFDシミュレーションができるようになる。 |
第4回 | 平板上の運動量、温度および濃度境界層 | 平板上の運動量、温度および濃度境界層のCFDシミュレーションができるようになる。 |
第5回 | 球に働く抗力 | 球に働く抗力をCFDシミュレーションで予測できるようになる。 |
第6回 | 逆浸透膜淡水化のCFDモデル | 逆浸透膜淡水化プロセスのCFDシミュレーションができるようになる。 |
第7回 | トピックス | 最近の研究におけるCFDシミュレーションができるようになる。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
T2SCHOLAにより配布する。
(1) R. Byron Bird, Warren E. Stewart, Edwin N. Lightfoot. Transport Phenomena, Revised 2nd Edition. John Wiley & Sons, Inc., 2007 (ISBN: 978-0-470-11539-8)
(2) H K Versteeg, W Malalasekera. An Introduction to Computational Fluid Dynamics The Finite Volume Method second edition. Prentice Hall, 2007 (ISBN: 978-0131274983)
提出課題により評価する。
履修の条件を設けない。
大川原 真一 (sokawara[at]chemeng.titech.ac.jp)
メールで事前予約すること。