[概要] 原子炉物理学実験はシミュレーターを用いて原子炉物理に関する基礎実験を行う。放射線計測実験は放射線計測器と関連機器に関する技術を習得する。
[ねらい] 原子炉物理学の基礎理論を理解することは原子力の安全な利用を担う上で必要不可欠である。本科目では、シミュレーターにおよる実験を行うことにより原子炉物理学の基礎理論の理解を深めることを目的としている。
放射線計測実験では,放射線検出器の動作原理と操作技術を習得することを目的とする。
本科目を履修することにより次のことが可能となる。
1.原子炉の基本的特性について説明できる。
2.放射線・物質相互作用に基き放射線検出器の動作原理について説明できる。
3.マルチチャンネル波高分析器による放射線のエネルギースペクトル測定の原理について説明できる。
4.シンチレーション式ガンマ線検出器を用いて放射能の絶対測定ができる。
5.ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線エネルギースペクトル測定により,未知放射性核種の同定ができる.
原子炉物理学、
放射線・物質相互作用、シンチレーション検出器、ゲルマニウム半導体検出器、マルチチャンネル波高分析器、エネルギースペクトル
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
原子炉物理実験の内容の理解のため実験に先立ち講義を行う。シミュレーターによる実験の後、実験レポートを提出する。
放射線計測実験については,実験レポート提出でなく,筆記試験を行う.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 1.原子炉シミュレーターよる実験 2. シンチレーション検出器によるガンマ線計測 3. ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線計測 | 1.原子炉の特性について説明できる 2. シンチレーション式ガンマ線検出器を用いて放射能の絶対測定ができる。 3.ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線エネルギースペクトル測定により,未知放射性核種の同定ができる. |
学修効果を上げるため,配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね50分を目安に行うこと。
特に指定なし。講義資料はOCW-iまたはT2SCHOLAから入手できる。
John R. Lamarsh, “Introduction to Nuclear Reactor Theory”, Addison-Wesley Publishing Company, Inc. (1965).
(邦訳:ラマーシュ著、武田充司、仁科浩二郎訳、“原子炉の初等理論(上)(下)”、吉岡書店(1974))
James J. Duderstadt, Louis J. Hamilton, “Nuclear Reactor Analysis”, John Wiley & Sons, Inc. (1976).
(邦訳:J.J. ドゥデルスタット、L.J. ハミルトン著、成田正邦、藤田文行共訳、“原子炉の理論と解析(上)(下)”、現代工学社(1981))
George I. Bell, Samuel Glasstone, “Nuclear Reactor Theory”, Robert E. Krieger Publishing Co., Inc. (1970).
Samuel Glasstone, Alexander Sesonske, "Nuclear Reactor Engineering", Chapman & Hall, Inc. (1994).
小林啓祐著、“原子炉物理”、コロナ社(1996)
Weston M. Stacey, “Nuclear Reactor Physics”, WILEY-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA (2004).
岡嶋 成晃、 久語 輝彦 、森 貴正著、“原子力教科書 原子炉物理学”、オーム社(2012)
岡 芳明編著、“原子力教科書 原子炉設計”、オーム社(2012)
Raymond L. Murray and Keith E. Holbert, "Nuclear Energy: An Introduction to The Concepts, Systems and Application of Nuclear Processes Seventh Edition", Elsevier Ltd. (2013).
E.E. Lewis, “Fundamentals of Nuclear Reactor Physics”, Academic Press (2008). (PDF file of the book can be downloaded from Tokyo Tech library.
Glenn F. Knoll 著, 神野郁夫ほか 訳, 「放射線計測ハンドブック(第4版)」, オーム社, ISBN-13:978-4274214493 (2013).
原子炉物理実験に関しては解析を通して中性子理論、原子炉理論の理解が深まったかについて評価する。実験レポート(50%)により評価する。
放射線計測実験については,放射線計測の原理と実際の装置に関する理解の度合いを実験への参加(25%)と期末筆記試験(25%)により評価する.
原子炉物理学の基礎知識を有するか、原子炉理論第一、原子炉理論第二を履修していることが必要
放射線計測実験については、原子物理学の予備知識を持っていることが望ましい。
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