本講義では、放射線や温熱が生体に対して与える影響について、分子レベル、細胞レベル、個体レベル、および集団レベルで論じる。また、病態、疾患との関連についても論じる。
これにより、腫瘍に対する放射線治療における生物作用を理解するための、放射線生物学の基本的事項を習得し、臨床応用の実際を理解することができる。
放射線や温熱が生体に対して与える影響について、分子レベル、細胞レベル、個体レベルで理解できる。さらに、集団レベルでの放射線の影響についても理解できる。
DNA二重鎖切断、細胞周期チェックポイント、分割照射、線量ー細胞生存率曲線、LQモデル、4つのR、腫瘍制御確率曲線、治療可能比、確定的影響、確率的影響、LNTモデル、温熱療法、ヒートショックタンパク、温熱耐性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説します。講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 分子レベルでの放射線の影響の基礎を提供する。(三浦) | 細胞周期の解析法、細胞周期チェエクポイント、DNA二重鎖切断修復機構について理解する。 |
第2回 | 細胞レベル、組織レベルでの放射線の影響の基礎を提供する。(三浦) | 線量ー細胞生存率曲線、4つのR、腫瘍制御確率、治療可能比について理解する。 |
第3回 | 個体レベル、集団レベルでの放射線の影響の基礎を提供する。(三浦) | 急性放射線症候群、低線量被曝が集団に与える影響について理解する。 |
第4回 | 生体に与える温熱の影響の概要を提供する。(渡邊) | 温熱による生存曲線、ヒートショックタンパク、温熱耐性、放射線との併用効果について理解する。 |
第5回 | 放射線増感法についての発表と討論を行う。(三浦) | 講義で習得した知識を基に、自分なりの放射線増感法を構築し、発表、討論する。 |
指定しない。
講義で資料を配付する。
Eric J Hall & Amato J Giaccia 『Radiobiology for the Radiologist 第7版』,Wolters Kluwer/Lippincott Wiliams & Wilkins, ISBN 978-1-60831-193-4
毎回の小テスト(100%)。講義内容習得の確認とする。
履修の条件を設けない。