医用放射線診断学・核医学は理工学領域で開発された技術を導入しめざましい発展を遂げている。120年前にレントゲンにより発見されたX線は人体内部の透視に応用され現在でも診断に役立っている。現在は巨大な画像データの取り扱いが短時間で可能になり、CT、MRIなどの診断機器なくして一般病院の診療は成り立たなくなっている。核医学はCTやMRIでは得がたい臓器の機能情報や代謝情報をもたらし診断に欠かせない検査法である。
当講義では、医用放射線医学・核医学分野における諸問題について自ら課題を見つけ探究する姿勢を培えることができるよう放射線医学の観点から考案し実施する。人類の抱える課題をグローバルな視点から統合的に解決できるために、医用放射線診断学・核医学の専門知識の習得を目的とする。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)画像医学モダリティーとは何か,原理と概念を説明できる
2)医用被ばくについて体系的に説明できる
3)画像を作成するための解像度、コントラスト、シャープネスについて説明できる
4)X線、血管造影、CT、MRI、SPECT、PETの基本構造と臨床応用(我が国で問題となっている疾患を中心に)を説明できる
放射線医学、核医学、画像医学、解像度、コントラスト、シャープネス、X線、血管造影、CT、MRI、SPECT、PET
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義を主体に毎回最後に試験を行います。毎回の講義の最初に復習を兼ねて前回の試験の解説をします。各回のハンドアウトをよく読み,適宜予習・復習を行って下さい。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 医用放射線診断学・核医学の基礎 | 画像検査の種類と基本原理の理解 |
第2回 | 検査の組み立てから診断まで:脳卒中 | 超急性期脳血管障害の診断方法の理解 |
第3回 | もの忘れの画像医学 | アルツハイマー病の診断方法の理解 |
第4回 | 画像医学からみたがんの診断(その1) | がんの診断方法の理解 |
第5回 | 画像医学からみたがんの診断(その2) | がんの診断方法の理解 |
指定しない。
毎回講義の内容をハンドアウトとしてお配りします。
毎回の講義時に行う試験による評価。
履修の条件を設けない。