本講義では医療に関連する物理センサ・化学センサおよびそれらを用いた計測技術、および生体分子および生体内環境に関連した広義のバイオ計測技術を解説する。まず、バイオ領域ではない学生向けに、分子生物学の基礎を教授する。次いで微生物ゲノム解析、光学的酸素センシング、スマートセンサ、生体内電子移動反応、磁性体を用いたバイオセンサ、ロボット工学、がんのイメージング、バイオセンシングのためのタンパク質工学、表面プラズモン、1分子計測の各トピックについて紹介する。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 分子生物学の基礎を理解する
2) 様々なバイオ計測技術と基礎とその応用についての先端的知識を習得する
分子生物学、酸素センシング、スマートセンサ、生体内電子移動反応、磁性生物物理、ロボット工学、がん、タンパク質工学、表面プラズモン、1分子計測、生体内反応
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
10名の教員が各一回の講義を担当し、パワーポイントを用いた解説を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 分子生物学の基礎と微生物ゲノム解析(福居) | 分子生物学の基礎を理解できる。また、微生物ゲノム解析の概要と方法論を説明できる。 |
第2回 | 光学的酸素センシング(蒲池) | 光励起状態の酸素による消光が理解できる。 |
第3回 | 匂いセンシングシステム(中本) | 匂いセンシングシステムの基礎を理解し、学際的な研究の素地を養うことができる。 |
第4回 | 生体内電子移動反応の電気化学測定(朝倉) | タンパク質の酸化還元を理解できる。また、電気化学測定法の原理を説明できる |
第5回 | 磁性体を用いたバイオセンサ (Sandhu) | 磁気センサ及び磁性粒子を使った医療診断の概要について説明できる。 |
第6回 | 生物の化学物質源探知とロボットセンシングへの応用(石田) | 生物の化学物質源探知行動のメカニズムを説明することができる。また、その生物行動を模倣したロボットの応用例を説明することができる。 |
第7回 | がんの診断と治療(小倉) | がんの診断と治療の基礎と応用が説明できる。 |
第8回 | バイオセンシングのためのタンパク質工学(小畠) | バイオセンシングシステム構築のためのタンパク質設計について説明できる。 |
第9回 | 表面プラズモンを使ったバイオセンシング(梶川) | 表面プラズモンを使ったバイオセンシングについて理解できる。 |
第10回 | 生体内反応を1分子レベルで検出する(森) | 生体内分子間相互作用を理解でき、生体内反応を検出する最新の方法を説明できる。 |
特になし
必要に応じ講義開始時に資料を配付する。講義で使用するパワーポイントスライドは可能な限り事前にOCW-iにより公開する。
各講義の最後に行う小テストの合計により評価する。
特になし
本講義は東京工業大学-東京医科歯科大学連携プログラム「医歯工学特別コース」の講義として、キャンパスイノベーションセンター(田町キャンパス)で8月〜10月の特定の週に集中的に実施される。1回の講義は135分である。詳細な実施スケジュールは本特別コースホームページに掲載された時間割を参照すること。