ヒューマン・ロボット・インタラクションは人間とロボットとの間のインタラクションを研究する学際的分野である。この授業のゴールは、自然で直感的な人間とロボットの間のインタラクションを理解し、評価し、デザインするために、関連する心理学的・社会学的な概念について検討することである。授業で扱う話題には、コミュニケーション、信頼、受容、共感、感情的なデザイン、そしてヒューマン・ロボット・インタラクションの倫理的考察などが含まれる。受講生は、効果的で良いヒューマン・ロボット・インタラクションをデザインするためにはどのような人間のニーズや要件が満たされなければならないのかを学ぶ。さらに技術の社会的な側面や、技術をとりまく社会的な要因について、受講生がより認識することをも期待する。
本授業で受講生に到達してもらいたい目標は:
1) 基本的な心理学的および社会学的な知識、そしてそれらをヒューマン・ロボット・インタラクションのデザインにどのように応用するかを学ぶ。
2) ヒューマン・ロボット・インタラクションで考慮すべき人間の能力や限界について理解する。
3) 新しい技術が社会に与えるインパクトについての批判的理解を養う。
ヒューマン・ロボット・インタラクション, コミュニケーション, 知的自動システム, 共感
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
各授業はヒューマン・ロボット・インタラクションに関する異なる話題を扱う。各授業は講義とグループディスカッションまたはグループワークから成る。実例や演習、議論などを通じて話題についての批判的理解を深める。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクション | 講義の内容や授業の流れ、履修の要件について説明する。 |
第2回 | ロボティクスの歴史 | ロボット技術がどのように発展しどのように人々の生活を変えたかを歴史的に俯瞰する。 |
第3回 | ヒューマン・ロボット・インタラクションの評価のための研究の手法および設計 | 研究方法の基礎、実験室およびフィールド研究、研究デザインの基礎。 |
第4回 | 知的自律システムとのインタラクション | 人間と自律システムとのインタラクションと関連する諸問題。 |
第5回 | 物理的インタラクションと触覚 | 触覚の基礎と、ヒューマン・ロボット・インタラクションにおける触覚の効果。 |
第6回 | 言語的・非言語的コミュニケーション | コミィニケーション研究とヒューマン・ロボット・インタラクションへの応用。 |
第7回 | 感情的なデザイン | ヒューマン・ロボット・インタラクションのデザインにおける感情の役割。 |
第8回 | 受容と信頼 | 信頼の概念と、ロボットの受容およびインタラクションにおける信頼の役割。 |
第9回 | 共感のあるヒューマン・ロボット・インタラクション | 共感の概念、そして共感を対話の中に組み込むことによる人間とロボットとの協働の改善。 |
第10回 | 長期間の関係の構築 | ヒューマン・ロボット・インタラクションにいて長期間継続するポジティブな関係を構築し、維持するための基礎。 |
第11回 | 応用:家庭内のアシスタントや高齢者介護 | 家庭内やリハビリテーションに用いられるソーシャルロボット、また介護ロボットの利用に伴う諸問題。 |
第12回 | 倫理的考察 | 人工知能への倫理的なガイドラインやロボット技術が社会に与えるインパクト。 |
第13回 | プレゼンテーション | ロボット工学や人工知能の応用分野の中から選択した特定の問題について短いプレゼンテーションを行う。 |
第14回 | プレゼンテーション | ロボット工学や人工知能の応用分野の中から選択した特定の問題について短いプレゼンテーションを行う。 |
第15回 | 総括と期末試験 | 本講義で学んだ話題全体の総括と期末試験。 |
教科書は特に指定しない。
必要に応じて授業中あるいはOCW-iで配布する。
授業への参加: 20%
課外課題: 10%
プレゼンテーション: 30%
期末試験: 40%
特になし。英語で議論ができること。