コミュニケーションデザインは、なんのために(目的:G)誰にどうなってほしいのか、誰と一緒にどうなりたいのかを考え(計画:P)、その目的と計画にあった方法を考えて行い(実践:I)、目的が達成されたかを見極めて(観察:O)、適切なフィードバックを返していく問題解決のサイクル(GPIOサイクル)を構築して問題解決の糸口を見つけ出すデザインである。つまり、誰もが行っている日常のコミュニケーションではなく、目的を共有し、それを達成することが必要だが、それが困難である場合のコミュニケーションの設計方法のことである。授業では、優れたアイデアであるのに製品やサービスとして普及しない残念なケースを取り上げ、GPIOサイクルを使ってコミュニケーションを再デザインすることによって未来あるニーズを発見し事業化の道筋を立てる方法論を学ぶ。
・コミュニケーションの原理について説明できる
・ケースのGPIOサイクルが導出でき、説明できる
・個人的・公共的な問題の解決について修正のための課題を抽出し、GPIOサイクルで表現できる
・新しいアイデアを事業化するために超えるべき困難について説明できる
・事業化の壁を越えられないアイデアを有望な事業にするためのコミュニケーションデザインを設計できる
コミュニケーションデザイン、残念なケース、修正のデザイン、スタートアップの困難、有望なビジネス
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各授業は前時間のレビュー(学生からの質問・コメントに答える)、講義、グループワークで構成される。指定する教科書はクラスでの議論に参加するための前提となる知識を与えるものであるので、教科書を読んでくることを強く推奨する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 導入 コミュニケーションデザイン概念の導出 | コミュニケーションとはなにか、コミュニケーションデザインとはなにかについて理解する。 |
第2回 | 修正のためのデザイン① マイナンバーカードの使いにくさから学ぶ | マイナンバーカードのUX上の課題を指摘できる |
第3回 | 修正のためのデザイン② マイナンバーカードのGPIO | マイナンバーカードのUXを再構築するGPIOについて説明できる |
第4回 | 新しいアイデアのビジネススタートアップが超えるべき障壁とそれに必要なコミュニケーション | よいアイデアが社会実装されるための道筋について説明できる |
第5回 | 残念なケースをGPIOで再デザインするための方法論 | アイデアはよいが普及していないものの課題を特定し再デザインのためのGPIOを構築する方法がわかる。 |
第6回 | 残念なケースGPIOによる再生提案 発表① | |
第7回 | 残念なケースGPIOによる再生提案 発表② |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
「コミュニケーションデザイン」 西條美紀著 くろしお出版
講義で指示する
グループワークと発表ならびに宿題(70%)
最終レポート(30%)
特になし