本講義は多次元情報処理における処理技術を学ぶことを目的としている.具体的なトピックとしては,画像符号化(エントロピー符号化,量子化誤算の解析,KLT (Karhunen-Loeve transform), DCT (Discrete Cosine Transform)), 画像処理における最新の手法(画像領域分割,カラー化,画像編集,画像リターゲティング),および凸最適化を用いた画像復元(凸集合,凸関数,凸最適化の数値アルゴリズム,画像復元における様々な正則化)などが挙げられる.本講義の目的は,受講した学生が実際の多次元情報処理問題からその本質を捉えた数学的問題を抽出し,数学的道具によって当該問題を解くことを可能とすることである.講義ではNumpyを用いた演習を取り入れており,実装を通してアルゴリズムに対する理解を深める.
本講義を履修することによって次の能力を獲得する.
1. 画像符号化の基礎を理解する.
2. 実際の画像処理の問題から数学的問題を抽出する方法を説明できる.
3. 凸最適化の基礎を理解する.
4. 様々な多次元情報処理の課題に数学的道具を応用し,必要に応じて実装も行える.
信号処理,画像処理,凸最適化
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
事前に全講義資料を公開しておくので,学生は事前に予習しておくこと.講義では,座学と演習を組み合わせることで課題の理解を深める.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス,量子化,サンプリング,サンプリング定理 | 講義の目的,ならびにサンプリング定理を理解する |
第2回 | エントロピー,情報源符号化定理 | 符号化の基本を理解する |
第3回 | 演習 - サンプリング定理 | 演習を通じて,サンプリング定理をより深く理解する. |
第4回 | 量子化,量子化誤差の解析 | 量子化誤差の統計的扱いを理解する |
第5回 | 演習 - 量子化誤差の見積もり | 演習を通して,量子化誤差についてより深く理解する. |
第6回 | 直交変換,KLT (Karhunen-Loeve transform), DCT (Discrete Cosine Transform) | KLTの最適性,およびDCTとの関係を理解する. |
第7回 | 固有値問題とその応用,Locally linear embedding, Normalized cuts | 固有値問題の応用について理解する. |
第8回 | 演習 - LLEの実装 | 演習を通して,固有値問題を信号処理に応用する方法をより深く理解する. |
第9回 | Colorization using optimization, Poisson image editing | 簡単な連⽴⽅程式にも多くの応⽤があることを理解す る |
第10回 | 最適化による画像復元1, 最小二乗法,Tikhonovの正則化 | 正則化の必要性と方法を理解する |
第11回 | 演習 - 最小二乗法とTikhonovの正則化 | 演習を通して,最小二乗法とTikhonovの正則化について深く理解する. |
第12回 | 最適化による画像復元2, 凸関数,凸集合,勾配降下法 | 凸最適化の基礎を理解する |
第13回 | 最適化による画像復元3, TV正則化法,ノルム,Legendre-Fenchel transform, 混合ノルム,射影勾配法,Chambolleのアルゴリズム | 複雑な正則化,および凸最適化のアルゴリズムを理解する |
第14回 | 演習 - 離散勾配作用素の実装 | 演習 を通して,離散勾配作用の実装を学ぶ. |
特に無し
事前に全講義資料を公開しておく
学習目標の総合的達成度を,演習課題に関する複数回のレポートによって評価する(100%)
特に無し
2024年度は、夏休み期間中の5日間(8/27 [3-8時限], 8/28 [3-8時限], 8/29 [3-8時限], 9/2 [3-8時限], 9/3 [3-6時限])を利用した
集中講義で開講予定。