医用情報処理では,我が国において疾病や健康に関する情報を適切に扱うための基礎を総論的に講義するとともに,医療情報を扱うシステムを構築する情報通信技術者に必要となる知識を身に付けてられるよう,現在の医療を取り巻く状況や政策なども交えた授業を行います。
医療分野の情報処理を学ぶには,総合的な技術と知識が求められるため,ハードウェア,ソフトウェアやネットワーク技術などの情報処理技術はもちろんのこと,日本の医療制度,医療情報を取り扱う際に必要となる倫理観や情報保護技術,そしてシステムを円滑に構築するための医療情報の標準化について,具体的なシステムを例に挙げながら総合的に学習します。
病院等で利用されている様々な情報システムについてを理解し,今後情報通信工学の技術者として医療情報システムの構築に携わる際に必要となる技術の基礎を習得すること,医療の情報化に関連する様々な制度を理解し,医療情報分野におけ課題解決能力を習得することが、本講義のねらいです。
本講義を履修することによって,以下の能力を習得する
1)医療情報システムの基礎から応用までの知識を体系的に身につける
2)その実際の応用や解決が求められている課題について理解することができる
医療情報システム、PHR、EHR、地域医療連携、プライバシー、セキュリティ
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各回ごとに講義を行いますので、授業後に講義の復習を行ってください。
毎回の授業で,授業理解度を確認するため,小テストやレポートが出題されます。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 医療とIT | 日本における医療情報化の取り組みを理解し、医療分野の情報化の重要性を説明できるようになる。 |
第2回 | 電子カルテシステム | 我が国における電子カルテの法的位置づけやそこに求められるセキュリティ技術を理解し、電子カルテシステムに必要となる要件を説明できるようになる |
第3回 | 放射線情報システム | 病院内で用いられる画像システムを理解し、そこで用いられるDICOMなどの標準技術を説明できるようになる |
第4回 | 病院情報システム | 院内情報システムの概略を理解し、そこで用いられるHL7などの標準化技術を説明できるようになる |
第5回 | Integrating Healthcare Enterprise(IHE) | 医療情報連携におけるIHEの必要性を理解し、その仕組みを説明できるようになる |
第6回 | 遠隔医療・地域医療情報連携 | 我が国において進められている地域医療連携の取り組みを理解し、IHE,SS-MIXなど現在進められている新たな取り組みを説明できるようになる |
第7回 | 医療用ネットワークシステム | 医療分野で用いられるネットワーク技術を理解し、医療専用ネットワーク構築の課題を説明できるようになる |
学修効果を上げるため,配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定なし
授業で扱う全ての資料は、事前にT2SCHOLAにアップする。
医療分野で利用される情報システムに関する理解度及び実社会における医用ITの現状と課題を正しく整理できる能力を有するかを評価する。授業課題(40%)・期末レポート(60%)で成績を評価する。
特になし