現代社会を根底で支える半導体集積デバイスの技術動向を、デバイス、プロセス、回路設計、アプリケーションの観点から総合的に概観する。具体的には、まずロジックデバイスの現状と将来展望について学ぶ。次に、先端ロジックデバイスの高性能化技術として、スケーリング、低消費電力化技術を軸に学ぶ。先端プロセスでは、先端ロジックデバイスの肝となるエッチング・洗浄技術に焦点を当てて説明する。さらに、デジタル回路の設計技術として、メモリ混載回路を中心に説明する。続いて、先端半導体デバイスを用いたアプリケーションの実例を学ぶ。最後に、シリコンデバイス構築の基盤であるウエハ技術の観点からシリコン技術を展望する。
これら講義は半導体業界をけん引する様々な企業の講師陣により提供される。本講義を通して半導体デバイスを支える多彩な技術要素と、各企業の取り組みを学ぶことで、自身の専門領域と半導体業界との関係性を理解し、市場を見据えた技術開発能力を養う。
本講義の履修を通して、半導体の先端技術動向を理解するとともに、市場を意識した俯瞰的な技術開発の素養を身に着けることが目標である。また、様々な専門領域の企業講師陣が提供する半導体技術開発の経験談を通して、半導体業界における多彩なキャリアパスについて理解することを目指す。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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半導体関連企業の社員の皆さんがその実務経験を活かし、シリコン技術に立脚した先端デバイスの製造・回路設計・アプリケーションに関する体系的な教育を行う。 |
半導体、VLSI、ウエハ、ロジックデバイス、洗浄技術、エッチング技術、SoC、回路設計、イメージセンサ
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
対面講義に他大学からのオンライン参加が加わるハイブリッド形式。講師として先端ロジックデバイス、プロセス技術、回路設計、アプリケーションに関する専門家を招き、オムニバス形式での講義およびレポートにより進める。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 先端ロジックデバイス(構造・スケーリング技術) [IBM USA] | 先端ロジックデバイスの微細化を推進する技術進展を理解する |
第2回 | 将来のエレクトロニクスに向けた新機能デバイス(低消費電力化技術) [NTT] | 低消費電力化技術のための新機能デバイス技術について理解する |
第3回 | 先端半導体プロセス1(エッチング技術) [日立製作所(日立ハイテク連結親会社)] | デバイス作製プロセス技術でエッチング加工技術の進化を理解する |
第4回 | 先端半導体プロセス2(洗浄技術) [SCREENセミコンダクターソリューションズ] | デバイス製作プロセス技術で高度化する洗浄技術について理解する |
第5回 | MCU向け混載不揮発性メモリIP開発の動向 [ルネサスエレクトロニクス] | 混載不揮発性メモリ技術について理解する |
第6回 | 半導体製品・市場(イメージセンサ) [ソニーセミコンダクターソリューションズ] | LSIと共に重要なアプリケーションであるイメージセンサの実際を理解する |
第7回 | ウエハ技術の観点からシリコン半導体技術の現状と展望 [SUMCO] | 半導体産業の中でのウエハ技術を理解する |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
なし
最新VLSIの基礎(Y. Taur/T. H. Ning著、丸善出版)
半導体デバイス―基礎理論とプロセス技術(S.M. Sze著、産業図書)
CMOS VLSI回路設計 基礎編・応用編(N. Weste/D. Harris著、丸善出版)
各回配布資料
各回で出題する計7回のレポート(100%)で評価する。
半導体デバイスと電子回路に関する学部講義を履修していることが望ましい。
筒井一生(tsutsui.k.ac[at]m.titech.ac.jp)
メールで事前予約ご連絡ください。
各回の担当講師
第1回:IBM, US 山下典洪、第2回:日本電信電話株式会社 西口克彦、第3回:日立製作所 松井都、第4回:SCREENセミコンダクターソリューションズ 林宗儒、第5回:ルネサスエレクトロニクス 斉藤朋也、第6回:ソニーセミコンダクターソリューションズ 大池祐輔、第7回:SUMCO 佐々木駿。
本講義は文部科学省X-nics/集積Green-niX研究・人材育成拠点におけるIntegrated Green-niX Collegeの活動としても開設しており、一部は文部科学省次世代X-nics半導体創生拠点形成事業 JPJ011438 の助成を受けたものです。