" 本講義では、広い電圧範囲(0.1~10000V)でエネルギーエレクトロニクスデバイスの中心となっているMOS型デバイス(低電圧微細MOSFET、高効率パワーデバイス)について扱う。特に、MOS型デバイスでは、信頼性に関わる物理現象がデバイス構造の進歩に大きな影響を与えてきたことから、その基盤となるデバイス物理の基礎と課題について、デバイス開発の視点から学ぶ。
エネルギーエレクトロニクスデバイスは、その低消費電力性から現在のICTや社会インフラを支える基盤技術であり、これからの環境問題を解くカギを握るデバイスになっている。まず半導体デバイス物理の基礎および課題を、基礎知識として把握したうえで、新たなデバイスについて議論する。"
" 本講義を履修することによって次の能力を修得する。
(1)MOS型デバイスの動作原理を記述できるようになる
(2)その応用に向けた課題とキー技術について説明できるようになる
(3)特に、MOS型の低電圧、パワーデバイスについて、材料、物性、プロセス、デバイスの観点から、その物理と基盤技術を議論できるようになる"
MOSFET、デバイス信頼性、MOS型低電圧デバイス MOS型パワーデバイス ワイドギャップ半導体デバイス
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回、講義の前半はテーマについて説明を行う。後半には、授業内容に関する演習問題に取り組むことにより、理解を確認する。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | イントロダクション MOSFETデバイス・プロセスの基礎とスケーリング | 半導体デバイス物理を理解する |
第2回 | MOSFET信頼性の課題 | MOSFET信頼性の課題を理解する |
第3回 | 先進MOSFETの挑戦 | MOSFET信頼性の課題への対応について理解する |
第4回 | デバイス低電圧化への挑戦 | MOS型デバイスの低電圧化の課題について理解する |
第5回 | MOS型パワーデバイスの基礎と信頼性の課題 | MOS型パワーデバイスの動作原理と課題を理解する |
第6回 | SiCパワーデバイスの基礎と信頼性の課題 | SiCパワーデバイスの動作と課題について理解する |
第7回 | 超高耐圧への挑戦 | ワイドギャップ半導体のバイポーラ動作について理解する |
第8回 | 総論 / 理解度の確認 | 全講義のレビューおよび理解の確認 |
"Simon M. Sze: ""Semiconductor Devices: Physics and Technology"" Wiley, 2001.
B. Jayant Baliga: “Fundamentals of Power Semiconductor Devices”, Springer-Verlag. 2008."
Y. Taur and T. H. Ning: “Fundamentals of Modern VLSI Devices”, Cambridge, 1998.
短期間の講義になるため、各種エネルギーエレクトロニクス デバイスについて授業時間中に演習を行い,知識の定着を確認し、学んだ知識を有効に使えるか評価する。
履修条件は特に設けないが,関連する科目(量子力学、固体物性論、電子デバイス)の知識があることが望ましい。