環境化学は、環境中物質の存在とその変化の理解を基礎に、環境問題の歴史や環境法から、環境汚染化学物質の計測とその処理、エネルギー問題にいたるまで、幅広い内容を扱う学問である。この講義では、特に地球環境を構成する地圏,水圏,大気圏,生物圏について、各構成要素内および各構成要素間の物質循環について解説する。さらにそれぞれの構成要素に関わる環境問題を解説する。人間活動が引き起こす物質循環のかく乱の観点から環境問題を理解することを本講義のねらいとする。
本講義を履修することによって
1)地球環境システム構成要素(地圏,水圏,大気圏,生物圏)内および各構成要素間の天然の物質循環について説明できる
2)人間活動が引き起こす天然物質循環のかく乱としての様々な地球環境問題を説明できる
3)いくつかの地球環境問題について、発生メカニズムと影響、モニタリングや将来予測について説明できる
地球環境問題、元素循環、地球システム、地圏、水圏、大気圏、生物圏
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義の最後に、その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。講義前に配布資料の予習をしておいてください。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ガイダンス:環境化学の考え方 | 環境化学の考え方を理解する |
第2回 | 大気圏と環境問題1:地球温暖化 | 地球温暖化の仕組みを説明できる |
第3回 | 大気圏と環境問題2:オゾン層破壊 | オゾン層の成因とオゾン破壊のしくみを説明できる |
第4回 | 大気圏と環境問題3:光化学オキシダント | 光化学オキシダントの生成機構を説明できる |
第5回 | 大気圏と環境問題4:エアロゾルと酸性雨 | エアロゾルのもつ様々な役割を説明できる |
第6回 | 水圏と環境問題1:海洋酸性化 | 海洋酸性化のしくみを説明できる |
第7回 | 水圏と環境問題2:富栄養化など | 富栄養化のしくみを説明できる |
第8回 | 水圏と環境問題3:地下水汚染 | 地下水汚染のしくみを説明できる |
第9回 | 地圏と環境問題:土壌汚染 | 土壌汚染のしくみを説明できる |
第10回 | 生物圏と環境問題1:化学物質の内分泌かく乱作用 | 内分泌かく乱物質の種類とその起源を説明できる |
第11回 | 生物圏と環境問題2:化学物質の生体濃縮 | 化学物質の生体濃縮のしくみを説明できる |
第12回 | 生物圏と環境問題3:プラスチック汚染 | プラスチック汚染を説明できる |
第13回 | エネルギーと環境問題:メタンハイドレートと地球環境 | ハイドレートの成因と分布および環境影響を説明できる |
第14回 | 期末試験 |
学修効果を上げるため,参考書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定なし
「環境の地球化学」(日本地球化学会監修、蒲生俊敬編、培風館) ISBN978-4-563-04907-2
期末試験(50%)、演習(50%)で成績を評価する。
履修の条件を設けない