電子材料の作製や特性理解に不可欠な熱力学の基本を学習します。第1法則や第2法則といった少数のルールから熱力学が成り立っていることを明らかにし、各法則を定量的に表すために必要な内部エネルギー,エンタルピー,エントロピー,自由エネルギーのような状態量の間に成り立つ関係を調べます。さらに系の構成成分が変化する過程を記述するのに必要な化学ポテンシャルを導入し、平衡や相転移などを議論します。誘電体や磁性体などへの応用についても言及します。
物質の熱的性質の理解と解明に必要な状態量や熱力学的諸関数の概念と活用法を習得し、エントロピー増大の法則などを基にして化学反応の方向や平衡の条件を議論できるようになることを目標とします。また、熱力学関数の関係を導くのに必要な数学を身につけることを目指します。
熱力学の第1法則,熱力学の第2法則,内部エネルギー,エンタルピー,エントロピー,自由エネルギー,熱力学ポテンシャル,化学ポテンシャル,平衡
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
✔ ・電気電子分野の応用専門力 |
独自の講義資料を用いる。講義の終了後に各回の内容の復習もしくは補遺として課題を配付するので、各自解答を試みること。解答例を次回に示す。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 内部エネルギーと準静的過程 | 熱力学第1法則を理解する。また、系の状態変化を記述するのに多用される準静的過程を学ぶ。 |
第2回 | エンタルピーとジュール・トムソン効果 | 温度と圧力の関数として取り扱うのに適したエンタルピーを学ぶ。また、エンタルピーを用いてジュール・トムソン効果を調べる。 |
第3回 | エントロピーと不可逆過程 | 熱力学第2法則を理解する。また、エントロピー増大の法則を学ぶ。 |
第4回 | 熱力学関数 | 熱力学的諸関数の関係の導き方を学ぶ。 |
第5回 | 化学ポテンシャルと開いた系 | 構成成分が可変である開いた系の扱い方を理解する。 |
第6回 | 平衡と相転移 | 平衡の条件を考察し、相転移を理解する。 |
第7回 | 幾つかの系の熱力学 | 誘電体・金属・磁性体などへ熱力学を適用する。 |
学修効果を上げるため,配布資料の該当箇所を参照し,各講義毎に授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
指定なし
各回の講義資料をT2SCHOLAで配布する。また、毎回、課題をT2SCHOLAで出す。
熱力学の基本法則、エントロピーなどの化学反応の方向性を決める状態量や条件、熱力学関数を結びつける数学技法に関する理解度を評価する。配点は、期末試験を5割、課題を5割とする。
特になし