この講義では,電磁気学,電子回路などの電気電子工学に関する関する知識を全て活用し,目標とする創作課題を学生が自ら設定し,設定した課題を創作することを通して学生の創造力を育むことを目的としている。
実験では少人数のグループを編成して,設定課題の討論,課題を完成させるための創作活動を行う。グループメンバーや教員との討論を基に,目標とする課題の設定,課題を達成するための実施計画を立案して創作活動を行い,これらの成果を段階的にまとめて発表する。一連の活動を通して,コミュニケーション力とともに,電気電子工学の知識を現実の問題に適用する課題設定力,課題の解決を図る力,一連のプロセスを実践する力を身に着けることをねらいとする。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)実験をとおして,電気電子工学に関わる知識及び諸原理の理解を深めることができる
2)電気電子工学に関する知識をもとにした課題設定力を身に着けることができる
3)課題達成に至る過程で遭遇する課題を解決する力及び実践力を身に着けることができる
4)グループワークによるコミュニケーション力を身につけることができる
対応する学修到達目標は、
(1) 【専門力】基盤的な専門力
(4) 【展開力】(探究力又は設定力)整理及び分析できる力
(7) 幅広い専門知識を習得し,より高度な専門分野や他分野に自ら学修を広げる力
ものつくり,創造性育成,電子工作,グループワーク
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
学生が自らの意思で,意欲的に課題を考案し,創作活動に取り組むことを基本とし,教員はこれを補助する役割で実験を進める。履修者は実験を自ら進める意欲的な姿勢をもち,グループワークを円滑に進めて課題設定,課題解決,とりまとめの発表に取り組んでほしい。実際の創作活動は,夏季休暇期間中にも行う予定であり,最終回では実験の成果発表会を開催する。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 実験の進め方に関する説明,グループ討論 | 実験課題に関する自由な発想 |
第2回 | 実験課題に関する一次企画案の発表 | 実験課題と企画提案を取りまとめる |
第3回 | 実験課題一次企画案に対するフィードバックとグループ討論 | 一次企画案に対するフィードバックの反映 |
第4回 | 実験課題の課題及び目標に関するグループ討論 | グループ討論による実験課題のブラッシュアップ |
第5回 | 具体的な設計のためのグループ討論 | 具体的な設計の完成 |
第6回 | 実験テーマに関する二次企画と具体的設計の発表 | 実験課題の二次企画と具体的設計を取りまとめる |
第7回 | 課題製作1 | 課題製作をとおして課題解決力を身に着ける |
第8回 | 課題製作2 | 課題製作をとおして課題解決力を身に着ける |
第9回 | 課題製作3 | 課題製作をとおして課題解決力を身に着ける |
第10回 | 課題製作4 | 課題製作をとおして課題解決力を身に着ける |
第11回 | 組立て,試験,及び調整 | 製作した課題のテストと調整 |
第12回 | 製作物の評価・検討 | 製作物の評価・検討 |
第13回 | 製作物の改良 | 製作物を改良する |
第14回 | 成果発表会の準備 | 企画,設計,試験,改良のすべてのプロセスを取りまとめる。 |
第15回 | 成果発表会 | 発表技術とコミュニケーション力の獲得 |
教科書は特に定めない。
必要な資料等は講義の中で指示する。
科目の目的の達成度を,二次企画と具体的設計の発表(50%),製作過程での問題解決(20%),成果発表会での発表(30%)で評価する。自由な発想を損ねないよう,一次企画は評価に含めない。また,最終的な成果物の性能等よりも企画,設計,製作課程,発表を重視する。
特になし。
藤田英明 fujita[at]ee.e.titech.ac.jp