2019年度 解析学(電気電子)   Analysis for Electrical and Electronic Engineers

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開講元
電気電子系
担当教員名
渡辺 正裕  赤塚 洋 
授業形態
講義
曜日・時限(講義室)
月1-2(S221)  木1-2(S221)  
クラス
-
科目コード
EEE.M201
単位数
2
開講年度
2019年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2019年3月18日
講義資料更新日
2019年6月10日
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

電気電子、情報通信分野を含む幅広い工学分野において物理現象や通信方式などの数学的な解析に用いられる複素関数と微分方程式を学びます。

まず複素数の定義と四則演算を、実数と対比しながら理解し、実数の拡張としての複素数の理解の仕方と計算方法、および、複素平面による表現法に習熟します。複素数のべき乗,n乗根を理解し計算方法に習熟した後、実数関数の場合と対比しながら、指数関数、三角関数、べき関数などの初等的な解析関数を複素関数として拡張する方法を学びます。複素関数の微分が定義されるための条件として、正則関数やコーシー・リーマンの関係式を理解した後、工学応用上重要な調和関数の扱い方を学びます。複素平面上での線積分として複素積分を定義し、複素解析の中心的内容であるコーシーの積分定理を学び、コーシの積分公式を導きます。留数定理を活用して、複素積分を応用すると、実数関数の定積分の値を計算できることを学びます。本講義のもう一つの柱である微分方程式に関しては、工学分野で特に重要性の高い、1階および2階の線形常微分方程式の解法を中心に学び、電気回路の解析等との関連性を理解します。工学応用上重要なラプラス方程式、拡散方程式、波動方程式などは偏微分方程式で記述されています。これらの解法に習熟することで、微分方程式を解くことによって工学上の課題を解決へ導く方法論を学びます。

到達目標

本講義を学ぶと、以下の学修内容が身につきます。

1)複素数の定義とその四則演算を理解し、複素数を含んだ計算が実行できる。
2)複素数のべき乗、n乗根、三角関数、指数関数など、実関数を複素関数へ拡張した複素関数の定義を理解し、計算が実行できる。
3)複素関数の微分を定義し、微分可能性を判定する定理を説明できる。複素関数の微分を実行できる。調和関数を説明できる。
4)複素積分を定義し、コーシーの積分公式を適用して複素積分を実行できる。留数定理を使って実積分の値を計算できる。
5)変数分離法および定数変化法を理解して、1階の微分方程式を解くことができる。
6)特性方程式を使って、2階線形微分方程式を解くことができる。微分方程式の解法を回路解析に応用できる。
7)定数変化法、未定係数法、級数展開法を理解して、微分方程式を解くことができる。
8)偏微分方程式の解法を説明できる。波動方程式および拡散方程式を解くことができる。

対応する学修到達目標は、
(1)【専門力】基盤的な専門力
(6) 電気電子工学に必要な電磁気・回路・線形システム・応用数学などに関する盤石な専門基礎学力

キーワード

前半(複素解析):複素数,複素関数, 正則, 複素微分、コーシー・リーマンの方程式、複素線積分、級数,収束半径,ローラン展開,特異点、留数、主値積分
後半(微分方程式):常微分方程式、変数分離、同次形、1階線形、2階線形、斉次線形、非斉次線形、未定係数法、回路解析、連立線形常微分方程式、偏微分方程式

学生が身につける力

国際的教養力 コミュニケーション力 専門力 課題設定力 実践力または解決力
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授業の進め方

毎回の講義の冒頭で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説します。その後、各回の講義を行い、講義の最後に,その日の教授内容に関する演習問題を出題します。各回の学習目標をよく読み,課題を予習・復習で行って下さい。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 複素数,複素平面,極形式,ド・モアブルの定理,n乗根,複素平面図形 虚数単位、虚数、複素平面、極形式、複素数のn乗根, 複素平面図形を理解する。
第2回 複素関数,写像,1次変換,指数・三角・双曲線・対数・べき関数 複素関数,写像,1次変換,指数・三角・双曲線・対数・べき関数を理解する。
第3回 微分,正則,コーシー・リーマンの方程式,調和関数,複素ポテンシャル 微分,正則,コーシー・リーマンの方程式,調和関数,複素ポテンシャルを理解する。
第4回 線積分,積分公式,積分路、積分路の媒介変数表示,複素線積分,整数べき関数の積分 線積分,積分公式,積分路、積分路の媒介変数表示,複素線積分,整数べき関数の積分をする。
第5回 コーシーの積分定理,積分路の変更,コーシーの積分公式,導関数 コーシーの積分定理,積分路の変更,コーシーの積分公式,導関数を理解する。
第6回 級数,収束半径,テーラー展開,べき級数表示,ローラン展開,特異点 級数,収束半径,テーラー展開,べき級数表示,ローラン展開,特異点を理解する。
第7回 留数と求め方,留数定理,三角関数・有理関数の定積分,主値積分等 留数と求め方,留数定理,三角関数・有理関数の定積分,主値積分等を理解する。
第8回 これまでの教授内容の理解度の確認と解説 複素解析学に関するこれまでの教授内容の理解度を確認する。
第9回 微分方程式の基礎事項,変数分離形,同次形 常微分方程式とは何かを理解し、変数分離形および同次形の1階常微分方程式の問題を解くことができる。
第10回 1階線形斉次方程式,1階線形非斉次方程式、1階完全微分形 1階線形斉次微分方程式、1階線形非斉次方程式、1階完全微分形微分方程式の解法を理解し、問題を解くことができる。
第11回 回路解析(LR,CR回路),2階線形方程式の解の構造、定係数2階線形斉次方程式, 回路解析(LR,CR回路),2階線形方程式の解の構造、定係数2階線形斉次方程式を理解し、関連する問題を解くことができる。
第12回 2階線形非斉次方程式、未定係数法、および微分方程式分野のここまでの教授内容の理解度の確認と解説 2階線形非斉次方程式の解法および未定係数法の解法を理解し、関連する問題を解くことができる。合わせて微分方程式分野のここまでの教授内容の理解度を確認する。
第13回 回路解析(LCR,LC回路), 級数展開法 回路解析(LCR,LC回路), 級数展開法を理解し、関連する問題を解くことができる。
第14回 連立定係数1階線形方程式 連立定係数1階線形方程式を理解し、関連する問題を解くことができる。
第15回 偏微分方程式入門 偏微分方程式の入門的問題を理解し、関連する問題を解くことができる。

教科書

前半:安岡康一・広川二郎 『スタンダード工学系の複素解析』 講談社 ISBN 978-4-06-156543-0
後半:広川二郎,安岡康一 『スタンダード工学系の微分方程式』 講談社 ISBN 978-4-06-156533-3

参考書、講義資料等

内藤喜之 『電気・電子基礎数学』 電気学会, ISBN 978-4886861047

成績評価の基準及び方法

【成績評価】 演習20点,試験20点×4回(第4回理解度確認,第8回理解度確認,第12回理解度確認,期末試験),の得点合計。
到達目標に挙げた項目に関する数学的原理の理解と計算方法への習熟度を評価する問題を出題する。

関連する科目

  • EEE.M211 : フーリエ変換とラプラス変換
  • EEE.M231 : 応用確率統計
  • EEE.C201 : 電気回路第一
  • EEE.C261 : 制御工学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

学部1年生レベルの微分積分学、線形代数学を修得していること。

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