電気電子工学や情報通信工学で,現在の電子産業を支える集積回路技術について理解しておくことは重要です。具体的な講義項目は,CMOS集積回路に関し,構造,製造方法,設計技術,テスト技術,信頼性,パッケージ技術,信号伝送、メモリ回路、インタフェース回路などを総合的に理解することなどを進めます。
【到達目標】 本講義を履修することによって,現在の電子産業を支えるCMOS集積回路について理解を進めることを到達目標とします。さらに,実際の集積回路設計に応用できるようになることを目標とします。
【テーマ】 本講義では,CMOS集積回路に関し,構造,製造方法,設計技術,テスト技術,信頼性,パッケージ技術,信号伝送、さらに、メモリ回路、インタフェース回路などを総合的に理解し,その電気電子工学及び情報通信工学に応用するための基礎を築くことを目的とします。
CMOS集積回路、構造,製造方法,設計技術,テスト技術,信頼性,パッケージ技術,信号伝送、メモリ回路、インタフェース回路
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義及び演習
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 集積回路の概要と設計・製造フロー | 例えばSmartphoneに搭載されている様々な機能やそれらの製造技術に対する理解を進めます。 |
第2回 | 集積回路製造における基本プロセス技術 | シリコンウエハ、露光技術、成膜技術、エッチング、ウェット洗浄、化学機械研磨技術などについて理解を進めます。 |
第3回 | MOSFETとそのスケーリング則 | MOSFETの動作原理とスケーリング則の進め方について理解を進めます。 |
第4回 | CMOSインバーターの電気特性 | CMOSインバーターの動作への理解を進めます。 |
第5回 | CMOS論理回路 | CMOS論理回路、NAND, NORなどについて理解を進めます。 |
第6回 | 配線の電気的性質 | アルミ配線、銅配線、低誘電率膜、エアギャップ、リピーター、H tree, 平均配線長などについて理解を進めます。 |
第7回 | 論理回路設計 | SPICE, RTL, HDL, C言語設計など、論理回路設計手法について理解を進めます。 |
第8回 | これまでの内容の理解度の確認と解説 | これまでの内容の理解度の確認と解説を通じた復習 |
第9回 | メモリ回路 | ラッチ回路、SRAM, DRAM, フラッシュメモリ、PCM, RRAM, MRAM, STT-MRAM, FeRAMについて理解を進めます。 |
第10回 | レイアウト設計 | 演習を通じてマスクレイアウト設計手法について理解を進めます。 |
第11回 | テスト・歩留り・信頼性 | TEG, ファンクションテスト、信頼性加速試験、故障モデル、歩留り、コストなどの理解を進めます。 |
第12回 | 高速化・低消費電力化技術 | 駆動能力向上、低電圧化、寄生抵抗・容量低減、パワーゲーティング、PLL技術などの理解を進めます。 |
第13回 | インタフェース回路技術 | アンプ、A/D変換、D/A変換、差動伝送、無線伝送などの理解を進めます。 |
第14回 | 実装技術と集積回路の今後の展望 | 実装技術と集積回路の今後の展望の理解 |
第15回 | これまでの内容の理解度の確認と解説 | これまでの内容の理解度の確認と解説を通じた復習 |
OCW/OCW-iにアップロードされたものを各自印刷
Neil H. E. West and David Harris, “CMOS VLSI Design: A Circuits and Systems Perspective,” Fourth Edition, Addison Wesley.
Jan M. Rabaey, Anantha Chanfrakasan and Borivoje Nikolic, “Digital Integrated Circuits: A Design Perspective,” Second Edition, Printice Hall.
荒井英輔 『集積回路A』 『集積回路B』 オーム社
榎本忠儀 『CMOS集積回路-入門から実用まで』 培風館
中間試験40%,期末試験40%,演習20%として評価する.
なし
益一哉(masu.k.aa[at]m.titech.ac.jp)
若林整(wakabayashi.h.ab[at]m.titech.ac.jp)