メカノシステムを実現するためには,機械工学の基本的な考え方の修得が必須である。すなわち,それらシステムをデザインするためには材料力学,熱力学,流体力学,機械力学等に加えて,実際にシステムを制御するための制御技術,さらに制御装置を構築するための電子回路に関する知識も必要である。そこで本講義では,それらを各論として学ぶのではなく,包括的,総合的に学ぶ。代表的なメカノシステムとして,本講義では,ロボット,輸送機械(特に自動車),流体機械,産業機械(特に工作機械)等を対象とする。また本講義では,より理解を深めるために,座学だけではなく,実際に具体的なメカノシステムを見学し,その機能,構造を学習できるように配慮している。
本講義では,機械系デザイン科目として,メカノシステムの機能および構造を理解すると共に,それらを合理的にデザインし実現する上で必要不可欠な機械工学の基礎を築くことを目的とする。さらに,機械工学の応用に必要な基礎の理解と修得を図る。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) アクチュエータ,センサ,運動機構,運動制御システム,産業機械などの代表的なメカノシステムの機能と構造を説明できる。
2) メカノシステムを系統的にデザインできる。
3) メカノシステムを実現する上で必要な知識,プロセスおよび方法を説明できる。
4) メカノシステムを実現する際に基本的に重要となる機械工学の様々な方法論を駆使することができる。
デザイン,機械要素,運動機構,メカトロニクス,産業機械
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
代表的なメカノシステムを想定して解説を加えるとともに,実際に具体的なメカノシステムを見学し,その機能,構造を学習できるように配慮している。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | メカノシステムのデザイン入門 | 代表的なメカノシステムの概要の紹介 |
第2回 | 代表的なメカノシステムの設計原理・デザインメソドロジー | 代表的なメカノシステムの設計原理およびデザインメソドロジーの理解 |
第3回 | メカノシステムを構成する機械要素Ⅰ | 軸受,直動案内等,案内要素の基本 |
第4回 | メカノシステムを構成する機械要素Ⅱ(歯車,送りねじ等) | 歯車,送りねじ等動力伝達用機械要素の基本 |
第5回 | 機械振動のモデル化と抑制 | 複素数表示による振動の取扱の理解 |
第6回 | メカノシステムにおける動力伝達機構(自動車,鉄道,船舶,風車等) | 動力伝達系はなぜ必要か,トルクとパワーの理解 |
第7回 | メカノシステムを駆動するアクチュエータⅠ | 各種アクチュエータの構造,動作原理および特性の理解 |
第8回 | メカノシステムを駆動するアクチュエータⅡ | 各種アクチュエータの構造,動作原理および特性の理解 |
第9回 | メカトロニクスシステムデザインⅠ | 各種センサの構造,動作原理および特性と基礎的電子回路技術の理解 |
第10回 | メカトロニクスシステムデザインⅡ | 基礎的制御系設計手法の理解 |
第11回 | メカトロニクスシステムデザインⅢ | 基礎的制御系設計手法の理解 |
第12回 | 産業機械の構成要素 | 産業機械の構造構成要素と全体システムの理解 |
第13回 | 産業機械の備えるべき基本特性 | 産業機械の基本機能と構造形態の理解 |
第14回 | 産業機械の設計とその流れ | 産業機械を実現するための構造設計方法論の理解 |
第15回 | メカノシステムデザイン演習とディスカッション | 理解度確認と総括 |
特になし。
講義時に資料を配付する。
機械工学の基本的な考え方,解析的手法,方法論,それらの応用に関する理解度を定量的に評価する。期末試験(50%),レポート(50%)で成績を評価する。
特になし。