バイオミメティクスとは、生物の構造やシステムの機能と原理を理解して、それを人工的に再構成することで人間の社会や技術の複雑な問題を解決するという概念である。学問領域としては、生物学、機械工学、化学、社会学などにまたがり、学際的な知識が求められる。本講義では、機械工学的なバイオミメティクスについて具体的な研究事例を紹介しながら説明する。特に、飛行と遊泳の仕組みや、昆虫を中心としたマイクロ/ナノスケールの微小構造に重点を置き、代表的な生物構造、原理、計測装置、製作技術を説明する。
・バイオミメティクスの概要を説明できる
・代表的な機械バイオミメティクスにおける生物構造、機能原理、計測装置、製作方法の概要を説明できる
バイオミメティクス、バイオメカニクス、流体力学、微細加工
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
パワーポイントスライドを用いた講義。オンラインライブ型(Zoomによるライブ授業)で実施。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | バイオミメティクスの概要 | 小レポート |
第2回 | 付着と付着防止:ヤモリの脚 | 小レポート |
第3回 | 機能的マイクロ・ナノ表面構造:ハスの葉、モルフォチョウ、蛾の眼 | 小レポート |
第4回 | 機械的感覚と光学的感覚:ハエの平均棍 | 小レポート |
第5回 | 流体抵抗低減:サメ肌 | 小レポート |
第6回 | 生物の滑空飛行 | 小レポート |
第7回 | 生物の羽ばたき飛行 | 小レポート |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特に指定しない
東昭, 生物の動きの事典, 朝倉書店, 1997
生物の形や能力を利用する学問バイオミメティクス, 篠原現人, 野村周平 編著, 東海大学出版部, 2016
そのほか、講義中に適宜参考文献を紹介する。
毎授業の小レポートおよび期末レポート
特に無し。
田中博人 准教授
tanaka.h.cb[at]m.titech.ac.jp