衛星システムでは、「小型衛星・探査機システムとミッションアイデア」、「宇宙機のダイナミクスおよび制御」などについて、学生自らの発表や提案、検討を軸に、必要な知識や参考資料を随時提供し、助言をしながら講義を進める。衛星設計コンテスト、宇宙機制御コンテスト、きぼうロボットプログラミング競技会などに実際に参加して作品を製作、提出することを1つの目標とする。
ロケットシステムでは、巨大システム設計の象徴であるロケットの設計、開発および打上げ運用の概要と、エンジン開発燃焼試験、ロケット打上げ作業を、映像等を交えながら紹介する。システム設計手法、ロケットサイジング基礎、誘導制御/構造/電気/推進等の各系統について、一連のロケット設計の概念と基礎を習得させる。
【到達目標】 本講義を履修することによって、宇宙プロジェクトのアイデア企画、および、ロケットシステムや衛星システムなどの基礎的な概念設計に関する基本プロセスを理解し、実践的に体得することが目標である。
【テーマ】 本講義では、宇宙システムの企画立案、ミッション選定、成立性検討、基本仕様の定義など概念設計の基礎を理解して、自ら実施することを目的とする。衛星/探査機システムとロケットシステムの2大分野に関して、前者では将来宇宙プロジェクトや小型衛星・探査機、後者では、日本および世界の実在ロケットや将来構想等を具体的題材として、チームに分かれて、グループによる検討・発表を行い、その基本プロセスを理解し身につける。
この科目は、学習目標の
6.機械工学の発展的専門学力
7.専門知識を活用して新たな課題解決と創造的提案を行う能力
の習得に対応する。
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
---|---|
本講義は、JAXAでの科学観測衛星や深宇宙探査機等およびMHIでのロケットに関する研究開発の実務経験を持つ教育担当教員や非常勤講師がその実務経験を活かし、宇宙工学についての実践的な教育を行う。 |
小型衛星/探査機システムとミッションアイデア, ロケットシステムのデザイン
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
衛星・探査機システムとロケットシステムの2大分野に関して、前者では将来宇宙プロジェクトや小型衛星・探査機、ドローンロボット制御、後者では、日本および世界の実在ロケットや将来構想等を具体的題材として、チームに分かれて、グループによる検討・発表を行う。日本語を使用する。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | 本講義の内容全体の説明と進め方の紹介。衛星1:超小型衛星の紹介。 [注意] 第2回以降の「衛星」と「ロケット」は完全に分離せず、原則交互に開催される。 | 本講義のねらいの理解 |
第2回 | 衛星2:コンテストの紹介、初期アイデア出し、衛星設計基礎 | アイデア出し |
第3回 | 衛星3:アイデア発表と分類、グループ分け | アイデア発表 |
第4回 | 衛星4:アイデア詳細発表、グループ討論、検討結果発表、衛星設計応用 | グループ討論 |
第5回 | 衛星5:作品テーマ選定、グループ討論、検討結果発表、衛星制御基礎 | グループ討論と発表 |
第6回 | 衛星6:作品テーマの成立性検討、グループ討論、検討結果発表、衛星運用基礎 | グループ討論と発表 |
第7回 | 衛星7:コンテスト作品の全体検討、統括、作品発表と評価 | 作品の全体検討と作品発表 |
第8回 | ロケット1:ロケットの発達史と基本理論 | ロケット開発の歴史 |
第9回 | ロケット2:ロケットの全体システム構成と特徴 | ロケットサイジングの基礎 |
第10回 | ロケット3:ロケットサブシステムの設計(推進/エンジン等) | 流体/熱設計等 |
第11回 | ロケット4:ロケットサブシステムの設計(構造/電気・誘導等) | 耐荷解析/軽量化設計等 |
第12回 | ロケット5:ロケットの信頼性と製造管理 | 品質保証/信頼性等 |
第13回 | ロケット6:ロケットの開発と打上げ運用 | プロジェクト計画/将来ビジョン追及 |
第14回 | ロケット7:結果報告(各グループ) | 結果報告 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
必要な資料等は授業にて提供する
必要な資料等は授業にて提示する
授業中における発表内容、最終的に取りまとめられた作品や報告書に基づいて成績を評価する。衛星50%、ロケット50%である。
宇宙システムへの熱い興味があり、毎回、専門分野にとらわれずに、柔軟な発想に基づいた討論ととりまとめをすることが要求され、予習、復習に相当な準備を要する。単なる座学ではないことに注意。
また、授業時間について、松永担当分は7-8限、中川担当分は7-9限の授業時間を基本とするが、合計時間は全体で2単位分(100分授業14回分相当)である。