宇宙機システムにおける構造物の動特性において,人工衛星や大型宇宙構造物,あるいは展開宇宙構造物システムの展開特性ならびに柔軟な動力学特性を理解することは重要です.本講義では,その取り扱いの基礎となるマルチボディシステムの数学的扱いを発展させて,弾性体からなる柔軟構造物の力学特性を評価するための数学モデルを構築する方法を講述するとともに,複雑な宇宙機構造システムの動力学特性をいかに理解していくかを述べます.
【到達目標】 宇宙環境における軽量柔軟な宇宙機システムについて,構造変形ならびに構造動力学特性の解明のために必要な数学的・力学的取り扱い手法について理解できるようになることを目標とします.更に,応用として,展開膜宇宙構造物ならびに膜構造物に適用できるようになることを目標とします.
【テーマ】 本講義では,宇宙機システムの動力学を理解するのに必要な,柔軟構造システム,弾性変形の取り扱いなどを,マルチボディシステムの数学的取り扱いを発展させることにより理解し身につけることをテーマとしていきます.また,Kane法などの数学的取り扱い手法について述べるとともに,膜構造などの柔軟宇宙構造システムの動力学の取り扱いを理解し身につけます。
宇宙機システム,多体システム,柔軟構造物,動力学,Kane法
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
理解を深めるために必要に応じて演習および宿題(report提出)を提示して講義する.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 宇宙機システムの運動学の復習 | 宇宙機システムの運動学の復習する |
第2回 | 宇宙機システムの運動方程式の基礎 | 宇宙機システムの運動方程式の基礎を理解する |
第3回 | 宇宙機システムに作用する外力の取り扱い | 宇宙機システムに作用する外力の取り扱いかたを学ぶ |
第4回 | 簡単な宇宙機システムの運動力学と動特性 | 簡単な宇宙機システムの運動力学と動特性を学ぶ |
第5回 | 可変構造をもつ宇宙機システムの動特性 | 可変構造をもつ宇宙機システムの動特性の取り扱いを理解する |
第6回 | 宇宙機システムにおける薄肉構造の動力学 | 宇宙機システムにおける薄肉構造の動力学を学ぶ |
第7回 | 複雑な宇宙機システムの構造動力学の取り扱い | 複雑な宇宙機構造システムの構造動力学の取り扱いを理解する |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
平成28年度から当面は講師配布資料
Dynamics: Theory and Applications, T.R. Kane, David A. Levinson
Spacecraft Dynamics, T.R. Kane, P.W. Likins, David A. Levinson
各回のレポート課題ならびに期末試験で評価します.評価比率は期末試験約60%,演習とレポート約40%とする.
関連する科目に記載した大学院科目ならびに学部科目同等以上を履修していること.
力学,ベクトル解析,微分を十分に取得していることが要求される.
furuya.h.ab[at]m.titech.ac.jp
メールでの問い合わせに応じて対応する.