本講義は、グローバル原子力安全・セキュリティ・エージェント養成のための高度国際教養科目の1つとして実施する。
哲学の問いとは、絶対的な解を持たないものであり、それは常に開かれている。問いは一定の解答にたどり着いた地点から常に更新されていく。哲学の特徴はこの問いのラディカリズムにある。実は、これは、すべての真性の学問に共通する姿勢である。
本講義では、現代哲学の代表的なトピックをいくつかとりあげ、哲学的な問いの醍醐味を味わっていただくと同時に、学問的な姿勢を身につけることをめざす。
社会のなかにある多様な出来事、問題を、哲学的批判的態度で捉える姿勢を獲得すること。
実在論と反実在論、科学的知識、心、他者、功利主義、正義、分配
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎時間、授業時間の最後に、講義内容を踏まえた受講生からの意見陳述を求めます。またそれに基づいて、お互い議論をします。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクション | 哲学とは何か、について一般的なイメージを掴む |
第2回 | 認識の哲学1――哲学的認識と科学 | 哲学的観点から科学的知識の理解 |
第3回 | 認識の哲学2――実在論と反実在論 | 科学的知識と実在世界との関係を理解 |
第4回 | 心の哲学1――他人の心 | 心の理論についての理解 |
第5回 | 心の哲学2――マインドリードの哲学 | 他者理解に関する哲学と心理学の理論を説明 |
第6回 | 正義の哲学1――功利主義の功罪 | 功利主義とロールズ正義論を説明 |
第7回 | 功利主義とロールズ正義論を説明 | 分配をめぐる現代哲学について理解 |
第8回 | まとめ | 分配をめぐる現代哲学について理解 |
プリントを配布。
バッジーニ、フォッスル『哲学の道具箱』共立出版、ISBN-10: 4320005732
平常点(クラス内での意見論述と議論)(30%)、期末レポート(70%)
なし
saito.masaki[at]nr.titech.ac.jp
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