2020年度 放射線災害対応実習   Radiation Disaster Response Exercise

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開講元
原子核工学コース
担当教員名
片渕 竜也  千葉 敏  相樂 洋  韓 治暎 
授業形態
講義 / 演習     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
集中講義等 (学外)  
クラス
-
科目コード
NCL.O605
単位数
2
開講年度
2020年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2020年11月4日
講義資料更新日
-
使用言語
英語
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講義の概要とねらい

本授業では、一般的な災害対応が困難な核セキュリティ事象を起因とする放射線災害を想定し、放射線緊急事態対応として不明な核物質及び放射性物質の検知、検認、回収 (IAEA INFCIRC225 Rev.5 勧告対象) を計画、実行する実習を実施する。「実習1: ガンマ線源同定」では、ガンマ線測定の原理とガンマ線スペクトルメーターの使用法を学習し、屋内で未知のガンマ線源を検知、同定、回収する実習を行う。「実習2: 中性子線源検知」では、中性子測定の原理と中性子検出器の使用法を学習し、屋内で未知の中性子線源を検知、回収する実習を行う。「実習3: ウラン濃縮度測定」では、ウラン濃縮度測定法を学習し、低・高濃縮ウランサンプルのガンマ線スペクトルを測定、ウラン濃縮度を計算する実習を行う。「実習4: 放射線緊急事態対応」では、仮想の核テロによる放射線緊急事態を想定し、初期対応者 (First Responder) として屋外で未知の仮想放射線源を位置特定、検認、回収する実習を行う。
本授業は、核セキュリティ事象を起因とする放射線災害 (妨害破壊行為、核物質または放射性物質の盗取、放射性物質飛散装置 (Radiological Dispersal Device: RDD) の使用等) に対する緊急事態対応能力や危機管理能力、また、災害対応に重要なチームワーク力やコミュニケーション力等を修得することを目的としている。

到達目標

本授業を履修することにより以下の能力を修得する。
1) 核セキュリティ事象を起因とする放射線災害の緊急事態時総合的、体系的思考・対応能力
2) 放射線測定原理の理解及び放射線災害対応時に使用する放射線計測器の適切な使用法
3) 迅速な放射線災害対応に必要な技術能力 (核物質及び放射性物質の検知、検認/同定等)
4) 放射線災害対応のチームワーク力とコミュニケーション力

キーワード

放射線災害対応、放射線緊急事態対応、核セキュリティ、危機管理、放射線計測

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

各実習を実施する前に関連講義を行い、実習の目的と実習に必要な知識を学習する。各実習は実習の特性と目的に合わせて学生を適切なグループに分けて実施する。各実習後にはグループごとに実習結果をまとめ、総合的に考察と議論を行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 放射線災害対応の概要 授業の目的及び内容を理解する
第2回 実習1: ガンマ線源同定 (1) ガンマ線測定 (講義) ガンマ線測定の原理と実習の目的を理解する
第3回 実習1: ガンマ線源同定 (2) ガンマ線スペクトルメーター使用法 ガンマ線スペクトルメーターの使用法を習得する
第4回 実習1: ガンマ線源同定 (3) 屋内未知ガンマ線源の検知と同定 未知のガンマ線源を検知、同定する技術能力を修得する
第5回 実習 2: 中性子線源検知 (1) 中性子測定 (講義) 中性子測定の原理と実習の目的を理解する
第6回 実習 2: 中性子線源検知 (2) 中性子検出器使用法 中性子検出器の使用法を習得する
第7回 実習 2: 中性子線源検知 (3) 屋内未知中性子線源の検知 未知の中性子線源を検知する技術能力を修得する
第8回 実習1及び2結果の考察と議論 放射性物質の検知、同定の総合的思考能力を修得する
第9回 実習 3: ウラン濃縮度測定 (1) ウラン濃縮度測定法 (講義) ウラン濃縮度の測定法と実習の目的を理解する
第10回 実習 3: ウラン濃縮度測定 (2) ウランサンプルのガンマ線スペクトル測定 バックグラウンド等の影響を考慮し、微量のウランサンプルのガンマ線スペクトルを効果的に測定する方法を習得する
第11回 実習 3: ウラン濃縮度測定 (3) ウランサンプルのウラン濃縮度計算 ウラン濃縮度を計算、分析する能力を修得する
第12回 実習 3: ウラン濃縮度測定 (4) 実習結果の考察と議論 ウラン濃縮度測定の総合的思考能力を修得する
第13回 実習 4: 放射線緊急事態対応 (1) ミッション概要及び仮想放射線測定システム使用法 (講義) ミッションの目的及び内容を理解し、仮想放射線測定システムの使用法を習得する
第14回 実習 4: 放射線緊急事態対応 (2) 屋外仮想放射線源の位置特定、検認、回収 ミッションにおける総合的・体系的思考・対応能力、チームワーク力、コミュニケーション力を修得する
第15回 実習 4: 放射線緊急事態対応 (3) 実習結果のまとめ 放射線緊急事態対応の総合的、体系的思考・対応能力を修得する
第16回 実習 4: 放射線緊急事態対応 (4) ミッション報告及び実習結果の考察と議論 放射線緊急事態対応の総合的、体系的思考・対応能力を修得する

教科書

特に指定しない

参考書、講義資料等

講義資料:
必要に応じ授業の前及び開始時に資料を配布

成績評価の基準及び方法

授業中の発言及び参加度 (30%)、実習課題の達成度及びチームワーク (30%)、実習結果の発表・議論 (20%)、レポート (20%)

関連する科目

  • NCL.O401 : 核不拡散・核セキュリティ学概論
  • NCL.O511 : 核不拡散・核セキュリティ学実習
  • NCL.O512 : 放射性物質環境動態実習

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

受講生の人数制限あり

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