2024年度 工業数学発展   Advanced engineering mathematics

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開講元
機械系
担当教員名
青野 祐子  山本 貴富喜 
授業形態
講義    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
金5-8(WL1-301(W531))  
クラス
-
科目コード
MEC.A212
単位数
2
開講年度
2024年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2024年3月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

 本講義は,偏微分方程式(ラプラス変換を含む)と複素関数について講義する.偏微分方程式の理解は時間と空間に関わる多くの現象を解析する機械工学においては不可欠である.また,複素数は実数と虚数を組み合わせた数字であり,同様に機械工学の様々な現象を理解するために欠かせない数学のツールである。本講義では,機械系の専門科目を学ぶ上でに必要とされる偏微分方程式および複素関数論の基礎と応用を,講義と演習を密接に組み合わせて習得を目指す。
 前半の偏微分方程式では,1階・2階の偏微分方程式,ラプラス変換とその性質,およびラプラス変換を用いた微分方程式の解法について説明し,線形システムに広く応用可能な数学的手法の基礎を習得する。後半の複素関数論では,複素関数の微分に関する基礎的な概念を理解すると共に,その2階偏微分方程式との関連性と,実関数の積分値の計算への応用手法を修得することで,工学的な問題の解決へと資する数学力を身につける。

 具体的には,次の点を中心に講義する。
1. 偏微分と偏微分方程式
2. 偏微分方程式とその基本解
3. ラプラス変換による解法
4. 積分方程式
5. 複素変数の関数の微積分
6. コーシーリーマンの方程式
7. 級数展開や留数の利用による積分法などの応用的事項

到達目標

偏微分方程式・複素関数論を履修することにより,次の能力を修得する。
1) 偏微分方程式,複素数と複素関数の概要を理解し,基本的な計算ができる能力。
2) 偏微分方程式,ラプラス変換,複素関数を活用する利点を理解の上,工学的な実問題に応用してく解くことができる能力。

キーワード

偏微分方程式,積分方程式,ラプラス変換,複素微分、複素積分,留数

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

基礎的内容について学習の後、発展的・応用的内容を学習する。講義内容の確実な理解と応用力を養うため、適宜、講義内容に関連した演習を行う。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 偏微分の基礎と偏微分方程式の構成 偏微分の説明と導出
第2回 線形1階偏微分方程式 ラグランジュ方程式の解の導出
第3回 線形2階偏微分方程式 線形2階偏微分方程式の分類
第4回 線形2階偏微分方程式の解法 変数分離による線形2階偏微分方程式の解の導出
第5回 ラブラス変換とその性質 線形微分方程式のラプラス変換
第6回 ラプラス変換による微分方程式の解法 逆ラプラス変換による解の導出
第7回 積分方程式/第1回達成度評価 積分方程式の級数解法
第8回 複素関数の微分,コーシーリーマンの方程式 コーシーリーマンの方程式の導出
第9回 線形2階偏微分方程式の基礎、ラプラス方程式 楕円型2階偏微分方程式の満たす関係式
第10回 複素関数の積分,コーシーの積分定理 複素関数の積分における積分路の設定
第11回 コーシーの積分公式 コーシーの積分公式を利用した積分方法
第12回 テーラー級数,ローラン級数 級数展開の導出
第13回 留数,積分評価への留数の利用 留数を利用した積分の計算例
第14回 実関数積分への応用/第2回達成度評価 実関数積分の計算例

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため、教科書や配布資料等の該当箇所を参照し、「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

スッキリわかる複素関数論、皆本、近代科学社
各自、自分に適したテキストを購入することを強く勧める。

参考書、講義資料等

複素解析、宮地、日本評論社
複素関数を学ぶ人のために、芦田、オーム社
複素解析、スピーゲル、石原宗一訳、マグロウヒル
A Complex Analysis Problem Book, 2nd Ed., Diniel Alpay, Birkhäuser

成績評価の基準及び方法

達成度評価(80%)
演習(20%)

関連する科目

  • MEC.A211 : 工業数学基礎

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

工業数学基礎(MEC.A211)を履修していることが望ましい。

この科目は
旧MEC.B212.A「複素関数論」および,旧MEC.B213.A「偏微分方程式」
の読み替え科目です.
・「複素関数論」「偏微分方程式」両方の単位を修得済みの場合はこの科目を履修できません.
2023年3月31日以前に入学した学生(~22B)がこの科目の単位を修得した場合は
・どちらか一方の単位を修得済みの場合はA(○)1単位,標準課程外1単位
・両方の単位を未修得の場合はA(○)2単位
で単位換算されます.

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