2024年度 伝熱学   Heat Transfer

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開講元
機械系
担当教員名
野崎 智洋  齊藤 卓志  高橋 秀治 
授業形態
講義 / 演習    (対面型)
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
月1-4(I1-256(I121))  
クラス
-
科目コード
MEC.E311
単位数
2
開講年度
2024年度
開講クォーター
1Q
シラバス更新日
2024年3月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

伝熱学は機械工学における重要な専門分野です。環境・エネルギー問題において、熱をいかに有効利用するかは、持続可能社会において最も重要な課題の一つと言えます。伝熱学ではこのための基礎を学ぶことができます。講義では、以下の点を中心に、熱伝導、対流、ふく射、相変化などの伝熱現象やそれに関わる物理法則を学びます。
1. 定常熱伝導、非定常熱伝導
2. 強制対流熱伝達、自然対流熱伝達
3. ふく射伝熱
4. 相変化(沸騰、凝縮)を伴う伝熱
5. 熱交換機器

到達目標

本講義では、伝熱における基礎項目を理解し、それらを用いて熱の流れを評価できるとともに、エネルギーの有効利用に応用できることを到達目標とします。
具体的には、
1. 定常熱伝導について定量的に評価ができ、非定常熱伝導のいくつか例について解析手法を理解する。
2. 物体まわりの強制対流熱伝達および自然対流熱伝達について理解し、これらが定量的に評価できるようになる。
3. ふく射伝熱の基礎概念を理解し、放射面間の伝熱が定量的に評価できるようになる。
4. 相変化(沸騰、凝縮)を伴う伝熱が定量的に評価できるようになる。
5. 熱交換機器の性能の定量的な評価手法を理解する。

キーワード

伝熱、熱伝導、対流伝熱、ふく射伝熱、相変化、熱交換器

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)
この科目は、6. 機械工学の発展的専門学力、7. 専門知識を活用して新たな課題解決と創造的提案を行う能力、の修得に対応する。

授業の進め方

本講義では、まず伝熱学の全体について概観したのち、各伝熱現象すなわち伝導伝熱、対流伝熱、ふく射伝熱、相変化伝熱について学習します。また、応用例としての熱交換器についても学びます。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 イントロダクション(目的、伝熱学の全体像) 本講義を履修する意義を理解する。
第2回 温度計測(熱電対、ふく射温度計) 温度計測の基礎を学習し、実際の温度計測手法の例として熱電対とふく射温度計に関する知識を習得する。
第3回 定常熱伝導(熱伝導方程式) 熱伝導の基礎について学習し、定常熱伝導について定量的に把握できるようにする。
第4回 定常熱伝導(フィン)、非定常熱伝導 フィン付面からの伝熱を学習し、伝熱促進方法について理解する。また、非定常熱伝導の基礎について学習する。
第5回 強制対流熱伝達(支配方程式、境界層近似、無次元化) 物体周りの境界層内の流れの取扱い方を学習し、支配方程式の意味するところを理解する。無次元数の意味と取り扱いを理解する。
第6回 強制対流熱伝達(平板からの層流熱伝達,管内流の層流熱伝達、熱と流れのアナロジー) 水平平板周りの強制対流層流熱伝達について学習し、これらを定量的に評価できるようにする。円管内の強制対流層流熱伝達について学習し、これらを定量的に評価できるようにする。熱と流れのアナロジーについて理解する。
第7回 強制対流熱伝達(乱流,物体周りの流れ) 強制対流乱流熱伝達の基礎を学習し、定量的に評価できるようになるとともに、円柱、球などの物体周りの対流熱伝達の基礎について理解する。
第8回 自然対流熱伝達(基礎式,垂直平板,相関式) 自然対流熱伝達の基礎について学習し、垂直平板周りの自然対流熱伝達を定量的に評価できるようにする。傾いた平板、水平平板など様々な物体周りの自然対流熱伝達について学習する。
第9回 熱ふく射の基礎(黒体放射,実在面のふく射特性) ふく射現象に関する基礎的概念について学習する。
第10回 ふく射伝熱(ふく射熱交換) ふく射伝熱の基礎として,放射面間の熱交換について学習する。
第11回 相変化を伴う伝熱(沸騰) 沸騰伝熱について学習し、その定量的評価ができるようにする。
第12回 相変化を伴う伝熱(凝縮) 凝縮伝熱について学習し、その定量的評価ができるようにする。
第13回 熱交換器 熱交換器の基礎について学習し、その性能の定量的評価方法を学習する。
第14回 熱輸送デバイス ヒートパイプなどの熱輸送デバイスについて学習する。

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため、教科書や配布資料等の該当箇所を参照し、「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

JSMEテキストシリーズ「伝熱工学」日本機械学会編、丸善

参考書、講義資料等

甲藤好郎「伝熱概論」養賢堂
Incropera F.P. and Dewitt D.P., Fundamentals of Heat and Mass Transfer, Wiely

成績評価の基準及び方法

伝熱における基礎項目を理解し、それらを用いて熱の流れを評価できるとともに、エネルギーの有効利用に応用できることを評価する。原則として,期末試験で成績を評価する.ただし、期末試験が実施できない場合には、講義中に出題される課題の総合成績により評価する.

関連する科目

  • なし

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

微積分学、微分方程式、熱力学の基礎知識を有していることが望ましい。あるいは、それに相当する知識を有することを条件とする。
2024年度は、2023年4月1日以降に入学した学生(23B~)は履修できません。

その他

特になし

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