【講義概要】
本講義では,運動エネルギー,ポテンシャルエネルギー、仮想仕事のようなスカラー量から運動方程式を導出する方法について講義する.
【ねらい】
機械工学の様々な分野で必要となる基礎方程式や運動方程式を,一般的な考え方に基づいて導出する能力は必須です.本講義ではラグランジュの運動方程式を用いた運動方程式の導出法を修得し,これを基に力学現象をより深く理解し,未知の力学問題を解く能力を養う.
本講義を履修することによって次の能力を修得する.
1)力学系の拘束と一般化座標について説明できる.
2)仮想仕事の原理とダランベールの原理について説明できる.
3)仮想仕事の原理とダランベールの原理を用いてラグランジュの運動方程式の導出できる.
4)ラグランジュの運動方程式を用いて運動方程式が導出できる.
5)ハミルトンの原理とラグランジュの運動方程式の関係を説明できる.
この科目は,学修目標の
6.機械工学の発展的専門学力
7.専門知識を活用して新たな課題解決と創造的提案を行う能力
の修得に対応する.
✔ 該当する | 実務経験と講義内容との関連(又は実践的教育内容) |
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本講義は,企業で製品の振動対策の実務経験を持つ教育担当教員がその実務経験を活かし,解析力学について実際に使用することを想定するような教育を行う |
一般化座標,仮想仕事の原理,ダランベールの原理,ラグランジュの運動方程式
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義の前半で,復習を兼ねて前回の演習問題の解答を解説します。講義の後半で,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらいます.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 解析力学の特徴と利点 | 仕事、エネルギー保存則についての復習 |
第2回 | 仮想仕事の原理とダランベールの原理 | 仮想仕事の原理とダランベールの原理の理解 |
第3回 | ラグランジュの運動方程式の導出 | 仮想仕事の原理とダランベールの原理を用いてラグランジュの運動方程式の導出 |
第4回 | ラグランジュの運動方程式を用いた運動方程式の導出 | 多自由度振動系の運動方程式を導出する演習問題を解く |
第5回 | 拘束条件のある場合のラグランジュの運動方程式 | 未定乗数法を用いて拘束条件のある場合のラグランジュの運動方程式を導出 |
第6回 | 変分原理とオイラーの方程式 | 変分原理とオイラーの方程式の関係の理解 |
第7回 | ハミルトンの原理とラグランジュの運動方程式 | ハミルトンの原理とラグランジュの運動方程式の関係の理解 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし
講義資料をT2SCHOLAにアップロードする
日刊工業新聞社,『解析力学と変分原理』,ISBN-13: 9784526031762,
Dover Publications,『The variational principles of mechanics / by Cornelius Lanczos』,ISBN-13: 9780486650678,
期末試験(80%)と講義時に出題される課題(20%)の総合成績により評価する.ただし,期末試験が実施できない場合には講義時に出題される課題の成績により評価する.
工業力学(MEC.A201)と機械力学(MEC.D201.R)を履修していること,または同等の知識があること