2016年度 量子化学(工)   Quantum Chemistry

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開講元
化学工学科(応用化学コース)
担当教員名
桑田 繁樹 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
火1-2(S422)  金1-2(S422)  
クラス
-
科目コード
ZUI.A221
単位数
2
開講年度
2016年度
開講クォーター
3-4Q
シラバス更新日
2016年1月11日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

[講義の概要]本講義では、応用化学系を専攻する学部学生を対象として、量子化学を物理化学、有機化学、無機化学の具体的問題に即して解説する。
[講義のねらい]量子化学は現代化学を理解する上で欠かすことができない考え方である。この講義では波動関数やLCAO法など量子化学の基礎を紹介するとともに、学生が分子構造や化学反応について量子化学的な立場から理解できるようにする。

到達目標

本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 波動関数の物理的意味と満たすべき性質を説明することができる。
2) LCAO法と永年方程式について説明することができる。
3) 単純ヒュッケル法を簡単な有機化合物に適用できる。
4) 電子環状反応を分子軌道に基づいて説明することができる。
5) 簡単な無機化合物の構造を量子化学の考えに基づいて説明することができる。

キーワード

シュレーディンガーの波動方程式、波動関数、変分原理、永年方程式、LCAO法、分子軌道、軌道相互作用、フロンティア電子論、アイソローバルアナロジー

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

この講義ではまず量子力学、量子化学の基礎について学ぶ。後半では、有機化学や無機化学の具体的な問題への応用について述べる。最終日には理解度確認のための期末試験を実施する。

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 シュレーディンガーの波動方程式、波動関数の物理的意味 波動関数の物理的な意味とシュレーディンガー方程式について説明できる。
第2回 変分原理 変分原理とその応用について説明できる。
第3回 水素分子イオンの近似的取り扱い、永年方程式 水素分子イオンの永年方程式を導出することができる。
第4回 LCAO法、MO、一電子近似、パウリの排他原理、水素分子の近似的取り扱い LCAO法とその応用について説明できる。
第5回 VB法とMO法、σ結合、π結合、混成軌道 VB法とMO法について説明できる。
第6回 分子軌道法(ヒュッケル近似):水素分子、異核二原子分子 ヒュッケル法の考え方を説明できる。
第7回 有機分子のπ電子論:エチレン、アリル、ブタジエン、ホルムアルデヒド エチレンやアリルカチオンに対してヒュッケル法を適用できる。
第8回 環状共役ポリオレフィン 環状共役ポリオレフィンに対してヒュッケル法を適用できる。
第9回 鎖状共役ポリオレフィン 鎖状共役ポリオレフィンに対してヒュッケル法を適用できる。
第10回 軌道相互作用 軌道支配の反応と電荷支配の反応について説明できる。
第11回 フロンティア電子論 フロンティア電子論を説明できる。
第12回 軌道対称性の保存と反応経路 電子環状反応の立体選択性を説明できる。
第13回 ウォルシュダイアグラム ウォルシュダイアグラムを用いて分子構造を予測できる。
第14回 超原子価化合物、アイソローバルアナロジー 超原子価化合物の分子軌道を説明できる。アイソローバルアナロジーを用いて分子構造を予測できる。
第15回 理解度確認のための演習と解説 第1~14回の講義内容を理解し、演習 問題に解答できる。

教科書

講義中に資料を配布する。

参考書、講義資料等

大岩正芳「初等量子化学ーその計算と理論」第2版(化学同人) ISBN: 978-4-7598-0176-7.

成績評価の基準及び方法

期末試験(60%)、授業参加度(40%)(授業参加度は授業中の小テストなどにより算出する)

関連する科目

  • CAP.B226 : 量子化学第一(基礎)
  • CAP.B227 : 量子化学第二(発展)
  • CAP.B221 : 無機化学第一(結合論)

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

CAP.B226量子化学第一(基礎)、CAP.B227量子化学第二(発展)、CAP.B221無機化学第一(結合論)ならびに、有機化学の初歩を身につけていることを前提に講義を行う。

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