現代物理学の出発点となった特殊相対論と前期量子論について入門的な講義を行う。 光速度測定実験、ローレンツ変換、ローレンツ収縮、質量とエネルギーの関係、黒体輻射とプランクの公式、光の粒子性、ボーアの原子模型、ドブロイの仮説について解説する。
最先端の物理研究の基礎となっており、実際のデバイス動作にも応用されている特殊相対論と前期量子論の概要を理解することがねらいである。より詳細は電磁気学IIや量子力学入門で学ぶが、その前段階で基本概念を身に付ける。
本講義を履修することによって以下の能力を修得する。
1) 特殊相対論の基礎概念を正しく理解し、数学的に表現できる。
2) 量子論の基礎概念を正しく理解し、数学的に表現できる。
特殊相対性理論、量子論、ローレンツ変換、黒体輻射、粒子性と波動性
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各講義の2/3は基礎的内容について、残る1/3は発展的応用的内容についての解説に充てる。講義内容の確実な理解と応用力を養うために、講義内容に関連した演習問題を適宜出題する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 古典力学と古典電磁気学、マイケルソン-モーリーの実験 | なぜ相対論が必要なのかを理解する。 |
第2回 | ローレンツ変換 | 特殊相対性原理に基づいてローレンツ変換を導出できる。 |
第3回 | ローレンツ収縮、時間の遅れ、双子のパラドックス | ローレンツ変換を用いて時空がどう変換されるかを理解する。 |
第4回 | 運動量と質量と運動方程式 | 特殊相対性原理に基づいてニュートン力学を修正し、相対論的運動方程式を導く。 |
第5回 | ミンコフスキー空間、4元ベクトルと運動方程式の共変形 | ミンコフスキー空間を理解し、運動方程式を4次元ベクトルを使って記述する。 |
第6回 | 光の粒子性とエネルギー量子 | 光が波のみならず、粒子としての性質を持つことを理解する。 |
第7回 | 電子の波動性と不確定性原理 | 電子が粒子のみならず、波としての性質を持つことを理解する。 |
第8回 | ボーアの原子模型と前期量子論 | ボーアの原子模型とそれに基づいて発展した前期量子論を理解する。 |
風間洋一:「相対性理論入門講義」, 培風館
米谷民明:「量子論入門講義」, 培風館
必要に応じ講義中に資料を配付する。予習/復習に用いること。
到達度を期末試験により評価する。
履修の条件を設けない。