2023年度 数学特殊講義J   Special courses on advanced topics in Mathematics J

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開講元
数学科
担当教員名
作間 誠  正井 秀俊 
授業形態
講義     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
-
クラス
-
科目コード
ZUA.E344
単位数
2
開講年度
2023年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2023年3月20日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

本講義の主題は3次元多様体の位相と幾何である。前半では、トーラスと Fareyタイル貼りの関係を説明した後、円周上の(一点穴あき)トーラス束及び2橋絡み目の位相的分類定理を Fareyタイル貼りの観点から説明する。後半では、双曲幾何の基礎事項を説明した後、一点穴あきトーラス束及び2橋絡み目補空間の双曲構造及びその標準的分割の具体的構成法を概説する。一点穴あきトーラス束及び2橋絡み目という特殊ではあるが重要な対象を通して、3次元多様体の位相と幾何の密接な結びつきを紹介することが本講義の目標である。

到達目標

・Fareyタイル貼りおよびそのトーラスとの関係を理解すること
・2橋結び目および穴あきトーラス束の分類定理を理解すること
・双曲幾何の基礎事項を理解すること 
・2橋結び目および穴あきトーラス束を通して、3次元における位相と幾何の密接な関係の一端を理解すること。

キーワード

結び目理論、双曲幾何、2橋絡み目、穴あきトーラス束、Fareyタイル貼り

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 以下の内容を解説する予定である ・(一点穴あき)トーラスとFareyタイル貼り ・Fareyタイル貼りから見た(一点穴あき)トーラス束の分類定理 ・Fareyタイル貼りから見た2橋絡み目の分類定理 ・穴あきトーラス束のJorgensen-Floyd-Hatcher分解、及び2橋絡み目補空間に対する類似 ・双曲幾何の基礎事項 ・カスプ付き双曲多様体のEpstein-Penner分解 ・穴あきトーラスクライン群に関するJorgensen の研究とその拡張 講義中に指示する.

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。

教科書

使用しない

参考書、講義資料等

J. S. Purcell, Hyperbolic knot theory, Graduate Studies in Mathematics 209, American Mathematical Society, Providence, RI, 2020. H. Akiyoshi, M. Sakuma, M. Wada, and Y. Yamashita, Punctured torus groups and 2-bridge knot groups (I), Lecture Notes in Mathematics 1909, Springer, Berlin, 2007.

成績評価の基準及び方法

レポート課題(100%)による.

関連する科目

  • MTH.B301 : 幾何学第一
  • MTH.B302 : 幾何学第二
  • MTH.B331 : 幾何学続論
  • MTH.B341 : 位相幾何学

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

多様体論における基礎的な知識を有すること。

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