この講義では、可換環論の現代理論と応用を学ぶ事を目標とする。代数幾何学や整数論の土台としての役割に留まらず、可換環論は最先端の数学において欠かせない知識となりつつある。最先端の論文を読みこなすために欠かせない、局所コホモロジー論、正則列、Cohen-Macaulay環などについて解説する。また概念の背景にある幾何学的な意味を意識しながら講義を進める。
1 局所コホモロジーと正則列の関係について理解する。
2 局所コホモロジーの計算方法。
3 局所コホモロジーとCohen-Macaulay環との関係について理解する。
4 Cohen-Macaulay環の具体例
入射加群、射影加群、正則列、局所コホモロジー、Cohen-Macaulay環
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式で行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 以下の内容について講義する。 (1) 入射加群と入射分解 (2) Ext加群と正則列 (3) 局所コホモロジーの定義 (4) 局所コホモロジーとCohen-Macaulay環 (5) Gorenstein環 (6) 消滅定理と局所双対定理 (7) 局所コホモロジーの代数幾何への応用 | レポート問題を授業中に出す。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね 30分を目安に行うこと。
指定しない。
「Cohen-Macaulay Rings」:W.Bruns and J.Herzog
「Commutative Ring Theory」:H. Matsumura
「Introduction to Commutative Algebra and Algebraic Geometry」:E. kunz
レポート課題の評価による。
学部で習得する代数学を学んでおくと望ましい。