物理数学のうち、複素関数と特殊関数を学ぶ。
地球惑星科学に関連する物理現象・物理過程を理解するために必要な複素関数および特殊関数を学ぶ。
本講義を履修することにより以下の知識と能力を習得する。
(1)留数定理を正しく理解し、複素積分を実行できる。
(2)特殊関数を理解し、地球惑星科学に関連する物理の問題に応用できる。
物理数学、複素関数、複素関数の正則性、コーシーの積分公式、留数定理、特殊関数、ベッセル関数、ルジャンドル関数
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
授業の最初に、復習を兼ねて演習問題等を簡単に解説します。授業中に、授業内容に関する演習問題に取り組んでもらいます。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 複素数、複素平面、複素関数、リーマン面 | 複素数を複素平面に表現する。複素数を極形式で表現する。多価関数を説明する。リーマン面を説明する。 |
第2回 | 複素関数の微分、正則性 | 複素関数の微分可能性を説明する。コーシー-リーマンの関係式を説明する。 |
第3回 | コーシーの積分定理,コーシーの積分公式 | コーシーの積分定理を説明する。コーシーの積分公式を使って複素積分を計算する。 |
第4回 | 導関数の積分表示 | 導関数の積分表示に関するグルサの定理を説明できる。 |
第5回 | べき級数展開とその応用 | テイラー展開とローラン展開を説明できる。 |
第6回 | 留数定理(1) | 留数定理を使って様々な定積分を計算できる。 |
第7回 | 留数定理(2) | 留数定理を使って様々な定積分を計算できる。 |
第8回 | 特殊関数の基礎 | ラプラス方程式の変数分離による解を説明できる。 |
第9回 | ガンマ関数とベータ関数 | ガンマ関数とベータ関数の解析的性質を説明できる。 |
第10回 | ベッセル関数(1) | ベッセル関数の諸性質を説明できる。 |
第11回 | ベッセル関数(2) | 地球惑星科学に関連する物理現象をベッセル関数で説明できる。 |
第12回 | ルジャンドル関数(1) | ルジャンドル関数の諸性質を説明できる。 |
第13回 | ルジャンドル関数(2) | 地球惑星科学に関連する物理現象をルジャンドル関数で説明できる。 |
第14回 | 球面調和関数 | 球面調和関数の諸性質を説明できる。 |
学修効果を上げるため,参考書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ適切な時間をかけて行うこと。
指定なし
福山秀敏・小形正男『物理数学Ⅰ』朝倉書店 ISBN 978-4-254-13703-3
志賀弘典『15週で学ぶ複素関数論』数学書房 ISBN 978-4-903342-03-0
複素関数および特殊関数についてその理解度を評価する。
配点は、授業中の演習・課題提出(30 %)、期末試験(70 %)。
微分積分学第一(LAS.M101)、微分積分学第二(LAS.M105)を履修していること、または同等の知識があること。