前半は大気および海洋の物理化学環境のなりたちについてそれぞれ学習する。その後、環境微生物学の基礎を学習し、環境と生物の相互作用について理解する。前半終了後に中間テストを行い、理解度を確かめる。後半はグローバルスケールでの物質循環の基礎を学ぶ。まず現在の炭素循環について学習し、次に、地質学的時間スケールの環境変動について学習する。また、長期的な環境変動と生物進化の関係について議論する。
地球を生物活動可能とならしめている諸要因を理解する。特に大気海洋における物理・化学・生物過程をそれぞれ学習し、現在の地球における生物地球化学循環について理解する。その後、地質学的時間スケールの環境変動について学習する。物質循環の解析を通して生物と環境の相互作用およびその進化過程を定量的に理解する。
大気、海洋、生物圏、生物地球化学循環
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
毎回の講義の後に、その回の参考資料を配布する。中間テストおよび期末テストにより成績評価を行う。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | イントロダクション: 惑星環境と生命 | 生物地球化学循環 |
第2回 | 惑星大気1 構造 | 大気全圧、測高公式 |
第3回 | 惑星大気2 気温 | 温室効果、対流調節 |
第4回 | 惑星大気3 化学 | 光化学 |
第5回 | 大気海洋の相互作用 | 揮発性物質の大気・海洋分配比 |
第6回 | 海洋の化学 | 炭酸塩の化学平衡 |
第7回 | 海洋での生物過程 | 生物ポンプ |
第8回 | 環境中の微生物 | 独立栄養、炭酸固定、窒素固定 |
第9回 | 生物学的熱力学 | エネルギー代謝 |
第10回 | 前半まとめ・小テストおよび解説 | 小テストおよび解説 |
第11回 | 物質循環1 物質移動論の基礎 | 平均滞留時間 |
第12回 | 物質循環2 炭素循環と大気酸素 | 大酸化事変 |
第13回 | 物質循環3 長期変動と安定同位体の利用 | Stable Isotope Biogeochemistry |
第14回 | 物質循環4 物質循環変動と気候 | 暗い太陽のパラドックス |
第15回 | まとめ: 環境変動と生物圏進化 | まとめ |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
大気化学入門 ジェイコブ (近藤 豊 訳) 東大出版会(1999)
松尾 禎士 著 『地球化学』 講談社
生物地球化学 地球化学講座5 南川(2005) 培風館
中間テストおよび期末テストにより評価する。
特になし