地質学の理解には、野外において実際に自身で観察する事が必須である。まず、事前学習において、地質図の作成方法(図学)を学習する。また、事前に調査地域の地質について学習する。その後、野外における巡検を実施する。具体的には、丹沢山地において1泊2日の巡検を行い、特にプレート収束境界のテクトニクスについて理解する。野外では、基礎事項として、走向傾斜の測定、露頭観察、ルートマップ作成など野外地質において必須の事項を実習する。また、火成岩、変成岩、堆積岩を観察し、火成作用、変成作用、堆積作用を理する。野外での実習後に、観察結果を持ち寄り、調査地域の地質図・断面図を作成する。また、堆積構造・断層・変成鉱物等の観察事項をまとめ、考察を行う。これら全ての調査・観察結果にもとづいて調査地域周辺の構造発達史を復元する。
【到達目標】 野外地質学の初歩的な事項(岩石鑑定、走向傾斜の測定、ルートマップ・地質図の作成等)を修得する。取得データに基いて構造発達史を復元する作業を通して、野外観察からプレート運動が引き起こす地質現象を理解する。
【テーマ】 野外地質調査の行い方を理解し、地質現象解明のための基礎を築く。事前学習で学んだ岩石や地質構造の基礎的事項に関し、実際に自身の目で見て観察する事に重きを置く。
地質学、プレートテクトニクス
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
授業中に指示する
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 事前演習:地質図学の習得、丹沢地域の地質概説 | 走行・傾斜 |
第2回 | 野外巡検1日目:火成作用、変成作用、堆積作用の理解 | 岩石学・分類 |
第3回 | 野外巡検2日目:プレート収束境界のテクトニクス | 衝上断層 |
第4回 | 事後演習1:構造データの共有、地質図の作成 | 野外で取得したルートマップに基づき、地質図を作成 |
第5回 | 事後演習2:観察事項のまとめと構造発達史の復元 | 地質図と観察事実を元に、調査地域の構造発達史を復元 |
天野一男・秋山雅彦著『フィールドジオロジー入門』共立出版
都城秋穂、久城育夫著『岩石学Ⅱ』『岩石学Ⅲ』共立全書、勘米良亀齢、橋本光男、松田時彦著『日本の地質』岩波書店、高橋正樹著『島弧・マグマ・テクトニクス』東京大学出版会
野外地質学の基礎の理解度を評価する。
成績は事前レポート、事後レポート、巡検中の取り組み姿勢による。
特になし
コロナウィルスの影響により、安全面を考慮した上で内容を変更する可能性があります。