本講義は,化学現象を分子の観点から系統的に理解する上での基礎を習得し,さらに,最先端の研究の現状を理解することを目的としている。本講義では,特に角運動量代数と分子間の相互作用への応用について学習する。
本講義を履修することによって,角運動量代数と分子間の相互作用への応用する能力を習得する。
クレプシュ・ゴルダン係数,回転行列,多極子展開,分子間相互作用
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義の途中で,適宜,その日の教授内容に関する演習問題に取り組んでもらう。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ルジャンドル多項式とルジャンドル陪関数 | 低次のルジャンドル多項式とルジャンドル陪関数を導出できる。 直交性を導出できる。 |
第2回 | 球面調和関数 | 低次の球面調和関数を導出できる。 直交性を導出できる。 |
第3回 | クレプシュ・ゴルダン係数と3j記号 | クレプシュ・ゴルダン係数の性質を説明できる。 2つの1/2スピン状態の結合状態を導出できる。 |
第4回 | 回転行列 | 回転行列とは何かを説明できる。 回転行列のEular角表示への変換ができる。 回転行列と球面調和関数の関係を説明できる。 |
第5回 | 球面テンソル演算子 | 球面テンソルとは何かを説明できる。 ベクトル演算子の球面テンソル表示を導出できる。 |
第6回 | 多極子展開 | 多極子展開とは何かを説明できる。 静電ポテンシャルを多極子展開できる。 |
第7回 | 分子間相互作用への応用 | 2分子間の静電相互作用を多極子展開できる。 多極子間相互作用の距離依存性を説明できる。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する 予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
特になし。
R. N. Zare著 Angular Momentum - Understanding Spatial Aspects in Chemistry and Physics, Wiley
A. J. Stone著 The Theory of Intermolecular Forces, Oxford
レポートにより評価する。
特になし。
・ CHM.C431 (分子化学特論) (2単位)を学士課程時に履修し単位を認定された場合は,2024年度開講のCHM.C434(分子化学特論 II)(1単位)と2025年度開講のCHM.C433(分子化学特論 I) (1単位)に単位を読替える(それぞれの科目が開講される時期に大学院科目として申告し,「様式8号 大学院授業科目としての認定願」を提出)。
・ 2023年度以前入学者へ:CHM.C431 (分子化学特論) (2単位)の単位を既に取得済みの場合は履修不可。