この演習では、基礎分析化学の講義で学んだ概念に関連する誤差、溶液の熱力学、酸塩基、錯生成、酸化還元などの化学平衡に関する定量的な計算を学修する。
自分で種々の系に関する計算してみることで、基礎分析化学の講義内容の理解を深めます。複雑な平衡系では解析的に解を導けないことも少なくない。このような場合コンピュータを利用して解を求めることも注目している系の理解につながる。このようなアプローチを実践することで、実際の実験系や自然を化学平衡に基づいて理解する能力を養う。
本演習を履修することによって、溶液の熱力学、化学平衡の計算の考え方を修得し、それを実践する。これにより、溶液中に含まれる化学種の濃度の厳密解や、その系統的な変化を計算できる能力を涵養する。誤差、溶液の熱力学、化学平衡に関わる実際の計算に対応できる能力を養う。必要に応じて、コンピュータを利用した計算も行う。二酸化炭素濃度増加による海水中の炭酸関連化学種の増加など現実的な関連問題への適用能力などにもつながる。
誤差の伝播、溶液の熱力学、化学平衡、酸塩基、錯生成、酸化還元、滴定
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
1) 授業の始めに、前回出題の解答をする。
2) 基礎分析化学の授業の内容に即した練習問題が出される。一部は宿題として次回提出する。
3) 予習として教科書の関連部分を読んでくること。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 誤差の伝播と溶液の熱力学 | 教科書の1章および2章の内容の理解 |
第2回 | ブレンステズ酸塩基平衡 | 教科書の3-5章の内容の理解 |
第3回 | pH緩衝と酸塩基滴定 | 教科書の4章および5章の理解 |
第4回 | 錯生成平衡と複雑な錯生成平衡系 | 教科書の8章と10章の錯生成平衡部分の内容の理解 |
第5回 | 沈殿平衡 | 教科書の9章と10章の沈殿平衡部分の内容の理解 |
第6回 | 酸化還元 | 教科書の11章の内容の理解 |
第7回 | 複雑な酸化還元系 | 教科書の12章の内容の理解 |
第8回 | 地球化学的な系 | 地球上の水圏、気圏における化学平衡の理解 |
岡田他、「分析化学の基礎 ―定量的アプローチ―」、化学同人(京都)
1) Harris, D.C. "Quantitative Chemical Analysis", W.H.Freeman and Company (NY) 978-1-4292-1815-3
2) 資料は授業中に配付します。
レポート(100%)により評価する。
履修条件は設けないが、関連科目を履修していることが望ましい