量子力学の原理と古典情報科学を復習し、世界標準となっている量子情報科学の基礎を学習する。
標準的な一般化測定理論におけるPOVMなどの基本概念を理解し、使えるようになることをミニマムとし、ホレボ限界と不確定性関係の理解を最終目標とする。
EPRパラドクス、ベルの不等式の破れ、エンタングルメント度、相互情報量、POVM, マクスウェルの悪魔、 ホレボ限界、不確定性関係
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
授業の始めに簡単に前回の復習をして知識の定着化をはかったのち講義の本編に移る。
途中で宿題を出す。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 量子力学の公理(1) | 重ね合わせの原理、測定可能量を理解する |
第2回 | 同(2) | ボルン則 テンソル積を理解する |
第3回 | 密度演算子 | 混合状態を理解する |
第4回 | スピン | ブロッホ球, 磁場による制御、シュテルン・ゲルラッハの実験を理解する |
第5回 | EPRパラドクス | 非局所性、物理的実在を理解する |
第6回 | エンタングルメント | ベルの不等式の破れを理解する |
第7回 | 古典情報理論 | シャノン情報量、データ圧縮を理解する |
第8回 | 相対エントロピー | 相互情報量を理解する |
第9回 | マックスウェルの悪魔 | 情報と熱力学を理解する |
第10回 | フォンノイマンエントロピ− | 量子情報エントロピ−の間の不等式を理解する |
第11回 | 一般化測定理論 | POVM クラウス表示を理解する |
第12回 | ホレボ限界 | 最大情報を理解する |
第13回 | 完全正写像 | 測定モデルを理解する |
第14回 | 不確定性関係 | 小澤の不等式を理解する |
第15回 | 弱値/弱測定 | 確率解釈について考える |
なし
M. A. Nielsen and I. L. Chuang, "Quantum Computation and Quantum Information"
(Cambridge University Press, Cambridge, 2000).
レポートによる
なし