2024年度 計算物理   Computational Physics

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開講元
物理学系
担当教員名
関澤 一之 
授業形態
講義 / 演習     
メディア利用科目
曜日・時限(講義室)
-
クラス
-
科目コード
PHY.L210
単位数
2
開講年度
2024年度
開講クォーター
4Q
シラバス更新日
2024年3月14日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

「数値計算」は「実験・観測」と「理論」に並び物理学を支える第三の柱であり,我々が自然の理を探求する上で重要な役割を演じる.本講義では,様々な現象に対する数値計算コードを実際に動かしながら,第一線の研究にも通じるようなプログラミング・数値計算・データ分析技法の基礎を習得することを目指す.

到達目標

・方程式を数値的に解くための様々な解法を学び,数値計算の基礎を身につける.
・プログラミング・データ解析の基礎を習得し,自分の力で数値計算コードを書けるようになる.
・様々な方程式を見たときに,それを数値計算コード上に表現し,適切な方法によって数値的に解くことができるようになる.

キーワード

Fortran,プログラミング,数値計算,シミュレーション,数値流体力学,量子力学,超流動

学生が身につける力(ディグリー・ポリシー)

専門力 教養力 コミュニケーション力 展開力(探究力又は設定力) 展開力(実践力又は解決力)

授業の進め方

各講義の1/3程度は,概念や必要知識等,講義のポイントとなる部分の解説にあてる.残り2/3は実習にあてる.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 計算環境の準備① 共用のPCあるいは自身のPCに計算環境を整える.
第2回 計算環境の準備② 共用のPCあるいは自身のPCに計算環境を整える.また,ターミナルの使い方の基礎を学ぶ.
第3回 Fortran入門①:基本的な文法について Fortranを用いた数値計算コードの書き方の基礎を習得する.
第4回 Fortran入門②:基礎練習と円周率のモンテカルロ計算 Fortranを用いていくつかの基本的な問題を解く.乱数を使って円周率を求める数値計算コードを書く.
第5回 差分法と数値精度:拡散方程式と移流方程式 差分法によってどのように微分方程式を解くのか,その原理を理解する.また,1次元拡散方程式と移流方程式を数値的に解き,差分スキームの精度と安定性を分析する.
第6回 数値流体力学への招待:渦度方程式とカルマン渦列 数値流体力学(CFD)の基本的な考え方を学ぶ.渦度方程式を理解する.2次元の渦度方程式を数値的に解き,カルマン渦列を生成する.
第7回 運動方程式の数値解法:単振り子・二重振り子 運動方程式を数値的に解く方法を理解する.単振り子の運動の数値シミュレーションを行う.
第8回 運動方程式の数値解法:N重振り子 線形代数関係の数値計算ライブラリであるLAPACKをインストールする.LAPACKを用いることで,N重振り子の運動方程式を数値的に解く.
第9回 時間に依存しないSchrödinger方程式の数値解法 I:ヌメロフ法 水素原子の電子の波動関数を記述するSchrödinger方程式とヌメロフ法を理解する.ヌメロフ法を用いて動径方向のSchrödinger方程式を数値的に解き,水素原子の電子の(仮の)波動関数を求める.
第10回 時間に依存しないSchrödinger方程式の数値解法 II:狙い撃ち法・二分法 ヌメロフ法を用いて動径方向のSchrödinger方程式を数値的に解き,そこに狙い撃ち法と二分法を適用することで,原点付近と遠方での境界条件を満たす固有関数と固有エネルギーを求める.
第11回 時間に依存しないSchrödinger方程式の数値解法 III:行列対角化 1次元Schrödinger方程式の行列表示を理解する.実対称行列を対角化するヤコビ法を理解する.1次元Schrödinger方程式のハミルトニアン行列を対角化し,固有値と固有ベクトルを求める.
第12回 時間に依存するSchrödinger方程式の数値解法:陽解法・陰解法と波束のポテンシャル散乱 時間依存Schrödinger方程式を解くための陽解法と陰解法を理解する.Taylor展開法を用いて1次元時間依存Schrödinger方程式を数値的に解き,ポテンシャルに散乱される波束の時間発展を求める.
第13回 量子流体力学への招待 I:1次元時間依存Gross-Pitaevskii方程式とダークソリトンの生成 超流動体を記述する時間依存Gross-Pitaevskii方程式(TDGPE)の性質を理解する.また,1次元TDGPEを数値的に解き,ダークソリトンを生成する.
第14回 量子流体力学への招待 II:2次元時間依存Gross-Pitaevskii方程式と量子渦の生成 超流動体に発現するトポロジカルな励起モードの性質を理解する.また,ソリトンや量子渦など,超流動体のトポロジカルな励起が関係する様々な物理現象を知る.また,2次元TDGPEを数値的に解き,量子渦を生成する.

授業時間外学修(予習・復習等)

学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと.

教科書

担当教員が配布する講義スライド・サンプルコードを用いる.

参考書、講義資料等

特に指定しない.

成績評価の基準及び方法

月一回程度のレポートによる.

関連する科目

  • PHY.Q207 : 量子力学入門
  • LAS.M106 : 線形代数学第二
  • PHY.C442 : 超流動

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

履修の条件を設けない.

連絡先(メール、電話番号)    ※”[at]”を”@”(半角)に変換してください。

関澤一之

sekizawa at phys.titech.ac.jp

2463

オフィスアワー

Slackやメール等で質問してもらえればいつでも対応します.

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