本講義の主題は箙の表現論である.箙の表現論はある意味で学部で習う線形代数の延長線上にあり,多元環の表現論の一部ともみなせるが,箙の表現論の研究においては線形代数のみならず,圏論・ホモロジー代数・幾何学など様々な道具が用いられる.また,箙の表現論はリー環や量子群の表現論,クラスター代数等の他の代数系の研究にも重要な応用がある.
本講義では,"Advanced topics in Algebra H(代数学特論H)"とともに,箙の表現論の基礎的な部分の解説から始め,他の表現論への応用までを学習する.上に述べたような様々な手法が表現論の研究に用いられることを体感してもらうことが本講義のねらいである.
・箙の表現の定義と例が説明できる.
・道多元環の定義と例が説明できる.
・ガブリエルの定理の正確な主張が述べられる.
・ガブリエルの定理の証明の概略が説明できる.
箙の表現,道多元環,ワイル群,ルート系,ガブリエルの定理
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式.レポート課題を講義中に与える.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 箙とその表現 | 講義中に指示する. |
第2回 | 道多元環,Krull--Schmidtの定理 | 講義中に指示する. |
第3回 | オイラー形式,ティッツ形式 | 講義中に指示する. |
第4回 | 表現空間 | 講義中に指示する. |
第5回 | 鏡映関手 | 講義中に指示する. |
第6回 | ワイル群,ルート系 | 講義中に指示する. |
第7回 | ガブリエルの定理 | 講義中に指示する. |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと.
特になし.
・I. Assem, D. Simson, A. Skowroński, Elements of the representation theory of associative algebras. Vol. 1. Techniques of Representation Theory, London Math. Soc. Stud. Texts, 65, Cambridge University Press, Cambridge, 2006. x+458 pp.
・A. Kirillov Jr., Quiver Representations and Quiver Varieties, Grad. Stud. Math., 174, American Mathematical Society, Providence, RI, 2016. xii+295 pp.
レポートによる評価(100%).
代数学における基本事項を修得していることが望ましい.
特になし.