2019年度 数学最先端特別講義W   Special lectures on current topics in Mathematics W

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開講元
数学コース
担当教員名
篠崎 裕司 
授業形態
講義
曜日・時限(講義室)
集中講義等   
クラス
-
科目コード
MTH.E654
単位数
2
開講年度
2019年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2019年3月18日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

数学専攻の大学院生向けに, 金融の現場での数理ファイナンスの問題を数学的に厳密かつ一般的な設定の元で解説し, 将 来金融機関でデリバティブに関わるクオンツとして働くことを希望する学生が実務に入りやすくなる助けとすると共に, 数学を研究する学生に金融の現場での問題の数学的な定式化を提示することを目的とする. 金融危機後の数理ファイナンスのトピックとして重要な「マルチカーブ」「XVA」につき, 最低限の実務的背景をおさえ て, 数学的に厳密かつ一般的な設定の下で定式化する. マルチカーブについては, マルチカーブが必要となったマーケット 環境の変化・実務背景を概説し, 担保付デリバティブの割引方法について説明した上で, 各種マーケットクオートから現 時点のイールドカーブを構成する方法を解説する. その上で, 将来のイールドカーブを記述するモデルとして, 各種ベーシ スを加味できる「一般化HJMモデル」を確率偏微分方程式(Stochastic Partial Differential Equation)を用いて記述し, 解の 存在と一意性を述べる. さらに, 一般化HJMモデルから実務上で用いられる様々なクラスの金利モデルを導出し, 各金利 モデルの特徴をまとめる. XVAについては, その概念・実務上の重要性を概説した上で, 複製戦略の考え方に基づいて各種 Value Adjustment(CVA, DVA, FVA, MVA, KVA)を加味した一般的な価格公式を前進後退確率微分方程式(Forward Backward Stochastic Differential Equation) / 非線形偏微分方程式(Non Linear Partial Differential Equation)の解として定式 化する. その上で一般的な価格公式から現在実務で用いられているXVAの価格公式を導出しそれらの相互関係をまとめる . さらに時間が余れば, これらの話題の発展として, Central Clearing VAのモデリングや前進後退確率微分方程式の数値解 法について概説する.

到達目標

・確率論や数理ファイナンスが金融の現場でどう使われているか知ること
・金融危機等の実務上の要請を受けて、伝統的な数理ファイナンスの理論がどう発展してきて, その過程でどんな数学が使われてきたか知ること
・数理ファイナンスの最先端の話題を自らの力で調査できるようになること
・普段研究している数学と実社会の繋がりの一端を感じること

キーワード

無裁定理論, 複製理論, HJMモデル, OIS割引, マルチカーブ, 確率偏微分方程式, XVA, 前進後退確率微分方程式

学生が身につける力

国際的教養力 コミュニケーション力 専門力 課題設定力 実践力または解決力
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授業の進め方

スライドと板書を用いて, 通常の講義形式で行う. また, 適宜レポート課題を出す.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 講義の全体像 講義中に指示する
第2回 数理ファイナンスの基礎の復習 講義中に指示する
第3回 無裁定条件を満たす一般化マルチカーブモデルのSPDEによる構成 講義中に指示する
第4回 FBSDEによるXVA formulaの導出 1 講義中に指示する
第5回 FBSDEによるXVA formulaの導出 2 講義中に指示する

教科書

特に無し

参考書、講義資料等

文献は講義中に紹介するが, 主なものは以下の二つ.
・A general HJM framework for multiple yield curve modelling (Christa Cuchiero, Claudio Fontana, Alessandro Gnoatto, 2016)
・Arbitrage-free XVA (Maxim Bichuch, Agostino Capponi, Stephan Sturm, 2016)

成績評価の基準及び方法

レポート課題(100%)による

関連する科目

  • MTH.C361 : 確率論
  • MTH.C507 : 解析学特論G1
  • MTH.C508 : 解析学特論H1

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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