2017年度 数学最先端特別講義K   Special lectures on current topics in Mathematics K

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開講元
数学コース
担当教員名
川平 友規  糸 健太郎 
授業形態
講義
曜日・時限(講義室)
集中講義等   
クラス
-
科目コード
MTH.E641
単位数
2
開講年度
2017年度
開講クォーター
2Q
シラバス更新日
2017年3月17日
講義資料更新日
-
使用言語
日本語
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講義の概要とねらい

"タイトル:双曲幾何からローレンツ幾何へ --- SL(2,R)の幾何学 ---"

概要:リーマン多様体が各点において正定値の計量を持つのに対して,ローレンツ多様体は1次元だけ負の方向を持つ計量を備えたものである.双曲幾何とは負定曲率を持つリーマン多様体に関する幾何であるが,近年は双曲幾何とローレンツ幾何との関係が注目されている.本講義はこの方面への入門となることを意図している.そもそも双曲平面はミンコフスキー空間というローレンツ多様体の中に実現される.講義ではこのあたりからスタートして,ローレンツ幾何に馴染むために,双曲平面の測地線の空間にしばらく焦点を当てる.次に,本講義の主な考察対象である反ド・ジッター空間 (anti-de Sitter space) を紹介する.反ド・ジッター空間とは,負定曲率を持つローレンツ空間であり,双曲空間のローレンツ幾何におけるアナロジーとなっている.特に3次元反ド・ジッター空間は行列群SL(2,R)にローレンツ計量を入れることで定義できる.本講義の目的は3次元反ド・ジッター空間と2次元双曲空間の関係についてのMessの理論を紹介することである.特に,「任意の2つの双曲曲面は地震変形で移り合う」というサーストンの地震変形定理を反ド・ジッター空間の幾何を用いて説明することを目標としたい.

ねらい:双曲幾何をローレンツ幾何の視点から研究する様々な手法を紹介する.

到達目標

2次元双曲空間の幾何に関する基本的な事柄を理解する.
3次元反ド・ジッター空間の幾何に関する基本的な事柄を理解する.
特にSL(2,R)を通して,リー群,等質空間,ローレンツ幾何の基本的な事柄を理解する.

キーワード

双曲幾何,ローレンツ幾何,(擬)リーマン幾何学,反ド・ジッター空間,SL(2,R), 等質空間

学生が身につける力

国際的教養力 コミュニケーション力 専門力 課題設定力 実践力または解決力
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授業の進め方

通常の講義形式で行う.また,適宜レポート課題を出す.

授業計画・課題

  授業計画 課題
第1回 2次元双曲空間の幾何 ・上半平面モデル,単位円板モデル,双曲面モデル ・等長変換群 ・双曲曲面の測地線と地震変形 ・双曲曲面の単位接束と測地流 3次元反ド・ジッター空間の幾何 ・様々なモデル.特にSL(2,R)モデル ・等長変換群 ・測地線,全測地的平面 ・真性不連続に作用する条件 ・Messの理論 (Thurston's Earthquake Theoremの別証明) 講義中に指示する

教科書

使用しない

参考書、講義資料等

双曲幾何と等質空間の基本的な事柄はそれぞれ次の本を参照すると良い:
・深谷賢治「双曲幾何」岩波書店
・熊原啓作「行列・群・等質空間」日本評論社
本講義の目標の一つは次の論文への導入となることである:
・G. Mess, ``Lorentz spacetimes of constant curvature,"" Geom. Dedicata (2007) 3--45.
これ以外の参考文献は講義中に紹介する.

成績評価の基準及び方法

レポート課題(100%)による.

関連する科目

  • なし

履修の条件(知識・技能・履修済科目等)

特になし

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