本講義では、ホモロジー群および基本群に関する基本事項を学ぶ。ホモロジー群と基本群は位相幾何学における最も基本的な概念であり、位相不変量の典型的な例でもある。
講義の流れとして, まずホモトピーや変位レトラクションといった概念を紹介した後、単体、単体複体、単体写像などの単体複体に関連する基本的な概念を解説する。次に、単体複体の鎖群とホモロジー群や単体写像の誘導準同型を導入し、ホモロジー群のホモトピー不変性を紹介する。最後に、位相空間の基本群を定義し、Seifert-van Kampenの定理を述べる。
・与えられた単体の集合が単体複体であるかどうか、判定できるようになること
・単体近似定理の正確な内容と意義を理解すること
・与えられた単体複体のホモロジー群が計算できるようになること
・簡単な位相空間の基本群が計算できるようになること
ホモトピー、変位レトラクト、単体複体、単体写像、鎖群、境界準同型、ホモロジー群、誘導準同型、Euler数、Mayer-Vietoris完全系列、ホモトピー不変性、基本群、Seifert-van Kampenの定理
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式による授業を行う。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | あらまし、積空間、商空間、ホモトピー | 講義中に指示する |
第2回 | ホモトピー同値、変位レトラクト、可縮、単体、面、重心座標 | 講義中に指示する |
第3回 | 単体複体、部分複体、多面体、単体分割、抽象単体複体 | 講義中に指示する |
第4回 | 幾何学的実現、単体写像、同型、単体の重心、可接合、結 | 講義中に指示する |
第5回 | 重心細分、開星状体、単体近似、Lebesgueの補題 | 講義中に指示する |
第6回 | 単体近似定理、単体の向き、鎖群、境界準同型 | 講義中に指示する |
第7回 | 輪体、境界輪体、ホモロジー群、Betti数、Euler標数 | 講義中に指示する |
第8回 | Euler-Poincareの公式、錐複体、非輪状 | 講義中に指示する |
第9回 | ホモロジー群の計算 | 講義中に指示する |
第10回 | 鎖写像、ホモロジー群の間の誘導準同型、関手性 | 講義中に指示する |
第11回 | 連結準同型、Mayer-Vietoris完全系列 | 講義中に指示する |
第12回 | 積複体、鎖ホモトピー | 講義中に指示する |
第13回 | ホモロジー群のホモトピー不変性 | 講義中に指示する |
第14回 | ホモロジー群の応用 | 講義中に指示する |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
田村一郎「トポロジー」岩波書店
中岡稔「位相幾何学 ホモロジー論」共立出版
Allen Hatcher, Algebraic Topology, Cambridge University Press
試験 (50%), レポート (50%)
位相空間論第一(MTH.B201)、位相空間論第二(MTH.B202)、位相空間論第三(MTH.B203)、位相空間論第四(MTH.B204)、代数学概論第一(MTH.A201)、代数学概論第二(MTH.A202)、代数学概論第三(MTH.A203)、代数学概論第四(MTH.A204)を履修済みであることが望ましい。