本講義の主要なテーマは集合と写像に関する基本的な概念と性質である。集合に関する基本的な演算を解説した後、集合の間の写像に関する基本的な概念(単射、全射、全単射)を学ぶ。次に、二項関係、特に同値関係について解説し、同値類および商集合について学ぶ。最後に、集合の間の相等について解説し、いわゆる濃度について学ぶ。また、隔回で講義内容に関する演習問題を行う。本講義は、引き続き行われる「位相空間論第二」に続くものである。
集合と写像は数学および周辺科学における基本言語であり、適用範囲の広い概念である。一方でこれらは抽象的な概念であり、必ずしも直感がはたらきやすいものではないため、多くの初学者にとっては理解しにくいものである。本講義では、集合と写像の基本的な性質を導くために、直感に頼ることの少ない純粋な論証を行い、数学における論理の進め方の典型例も学ぶ。
・ド・モルガンの法則を自由に使えるようになること
・与えられた写像が全射になるか、単射になるか、全単射になるか判定できるようになること
・与えられた写像の像と逆像を求められるようになること
・同値関係と商集合の具体例を扱えるようになること
・連続の濃度と可算の濃度の違いを理解すること
集合、写像、像と逆像、直積集合、二項関係、同値関係、商集合、集合の濃度、可算濃度と非可算濃度
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
通常の講義形式による講義と問題演習形式の講義を交互に行う
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 集合の定義、例、和集合、共通部分、部分集合、補集合 | 講義中に指示する |
第2回 | 第一回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第3回 | ド・モルガンの法則、分配法則、集合の間の写像 | 講義中に指示する |
第4回 | 第3回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第5回 | 像と逆像、写像の合成、直積集合 | 講義中に指示する |
第6回 | 第5回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第7回 | 集合の間の対応、添え字づけられた集合族 | 講義中に指示する |
第8回 | 第7回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第9回 | 二項関係、同値関係、同値類、商集合 | 講義中に指示する |
第10回 | 第9回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第11回 | 集合の濃度、濃度の大小関係、可算集合 | 講義中に指示する |
第12回 | 第11回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第13回 | 連続の濃度、非可算集合、巾集合の濃度 | 講義中に指示する |
第14回 | 第12回の講義内容に関する問題演習 | 講義中に指示する |
第15回 | 理解度確認 | 講義中に指示する |
「集合と位相空間」森田茂之著 朝倉書店 (2002年)
「集合と位相」内田伏一著 裳華房 (1986年)
「集合・位相入門」松坂和夫著 岩波書店 (1968年)
期末試験(およそ70%) および問題演習における解答状況(およそ30%)
微分積分学第一・演習、微分積分学第二、同演習、線形代数学第一・演習、線形代数学第二、同演習を履修済みであることが望ましい。