東南アジアという地域について、地理、歴史、現在など、さまざまな観点から紹介する。東南アジアは、海域アジアの熱帯という共通性をもった地域である。同時に、海の交通路の要衝に位置する東南アジアは、東西の諸地域との文化、人間、商品などの交流により、多様性を持つ社会を形成してきた。これは仏教、イスラム教、キリスト教など、宗教の共存などにみることができる。さまざまな形の交流という視角から、外来の要素を取り入れながら成長する東南アジアの姿を描く。
本講義の狙いは、地域の見方を考えることにある。地域は、地理的条件等により固有性をもつと同時に、他地域との交流や時代の移り変わりとともに常に変化する。多様性、流動性の大きい東南アジアの事例に、多角的な地域の見方を提示づる。多角的な地域の見方を提示する。このことは、日本など、その他の社会を見るうえでも有意義である。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1)東南アジア地域の地理的な特徴とそれが社会に与える影響について説明できる。
2)他地域との交流を通じて、東南アジアの多様な文化が形成される過程を説明できる。
3)ひとつの地域を多角的に見る方法論を身に付け、現代の諸地域の社会が抱える諸問題に対して自らの意見を持てるようになる。
東南アジア、海域世界、環境、宗教、歴史
専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
パワーポイント・スライドと資料を使用し、講義形式にて行う。授業の冒頭では、前回に出された質問等のフィードバックを踏まえた解説を行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | イントロダクション:東南アジア地域 | 地域の定義の理解 |
第2回 | 地域社会(1):環境と基層文化 | 自然環境と人間の社会の関係の考察 |
第3回 | 地域社会(2):宗教の伝播 | 仏教、イスラム教、キリスト教の拡大、現地化の過程の考察 |
第4回 | 歴史(1):海域世界と港市 | 海を通じたアジアの交流の考察 |
第5回 | 歴史(2):近代的「国民」の形成 | 東南アジアとヨーロッパの関係の変遷の考察 |
第6回 | 現代社会(1):国家と開発 | 政治体制の変化と経済開発の関係の考察 |
第7回 | 現代社会(2):グローバル化と人々の生活 | 都市化、産業化、環境問題などの現在的課題が人々の生活に与える影響の考察 |
第8回 | まとめ:地域の見方 | 地域を見る多様な視点についての理解 |
教科書は使用しない。
参考書は、授業時に指示する。講義で使用するパワーポイント・スライドと資料は事前に配布する。
平常点(リアクションペーパー)20%、小レポート20%、期末テスト60%の比率で成績を評価する。小レポートでは自ら課題を設定し、回答を見出す力を、期末テストでは講義内容の理解度を評価する。
特にないが、異文化に関心を持っていることが望ましい。
(* ToTAL登録学生に限定。ToTAL登録学生以外は科目コードがLAHで始まる文系教養科目を履修してください。)