この講義では,内容の検討(専門分野と世界とのつながり,その中での自らの役割,責任,倫理を批判的によく考える)と,ライティングスキルを向上させてアカデミックライティングを理解すること,他者の文章を改善させる活動の実践(ピアレビュー),の3点を通して,自分の考えをよりよい文章にまとめることをめざす.
・教養の学修のまとめ
・専門科目や自分の想定するキャリアとの関連から,教養のあり方や今後の修得の重要性に気付く.
・専門分野と世界とのつながりの中での,自らの役割,責任,科学者・技術者としての倫理を知る.
・文章の評価・批評能力を向上させる.
・批評された文書を改訂する能力を向上させる.
・自らの考えを文章として適切に表現することができる(ライティングスキル向上).
・仲間の文章を批判的に読みつつ,適切に改善する手助け(ピアレビュー)ができる.
アカデミックライティング、ピア・レビュー、批判的思考, オンライン活動
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
アカデミックライティングを理解するための講義と,ピアレビューを実践しながら論文を書き進め改訂するための演習を,ほぼ交互におこなう.講義はオンデマンド動画視聴とe-learningによる.演習は60人規模のクラスでのペアワークやグループワークを主体とする.
前半ではライティングスキルの修得とピアレビューの理解を目指す.後半では教養卒論のテーマを設定し,大学院のピアレビュー実践クラスの支援を受けつつ,ピアレビューを実践する.ピアレビューを通して教養卒論をブラッシュアップし,ライティングのスキルを向上させる.
授業の進行はクラスによって若干異なることがある.
最終課題は「自分の専門分野やこれまで学修してきた教養や様々な経験を題材にして、その社会的な意味や影響といった主題を自ら設定し探究する論文を(日本語の場合は)5000~10,000文字で書いて下さい」である.前もって自分の書きたいことを考え,参考になりそうな図書にあたることを推奨する.
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 10/3(木) オリエンテーション/論文とはどんな文章か/主題 | 動画を視聴し,振り返りレポートを提出 |
第2回 | 10/7(月) クラスの場づくり/論文の段取り(図書館活用法)/主題についてのグループワーク | 図書館を使ってみる |
第3回 | 10/10(木) パラグラフライティングとわかりやすい文章/文献の探し方・文献リストの作り方 | 動画を視聴し,振り返りレポートを提出/アウトラインver.1を作成し提出 |
第4回 | 10/17(木)*月曜授業 ピアレビューとは | 振り返り |
第5回 | 10/21(月) アウトラインのピアレビュー | アウトラインをベースに内容を膨らませていく(その結果として教養卒論第1稿を提出) |
第6回 | 10/24(木) 論文の構成1 | 動画を視聴し,振り返りレポートを提出/アウトラインをベースに内容を膨らませていく(その結果として教養卒論第1稿を提出) |
第7回 | 10/28(月) アウトラインベースのピア・レビュー | 教養卒論第1稿 |
第8回 | 10/31(木) 論文の構成2 | 動画を視聴し,振り返りレポートを提出/教養卒論草稿を書き進める |
第9回 | 11/7(木) 引用と体裁 | 動画を視聴し,振り返りレポートを提出/教養卒論草稿を書き進める |
第10回 | 11/11(月) ピアレビュー | 教養卒論第2稿(最初の完成稿)締切厳守 |
第11回 | 11/14(木) 非リアルタイム・ピアレビュー | 教養卒論をオンラインでピアレビューし,それに基づいてリバイスする. |
第12回 | 11/18(月) 非リアルタイム・ピアレビューの振り返り/ピアレビュー | 振り返りシートを提出する. |
第13回 | 11/21(木) 発表会に向けて準備 | 教養卒論の要約を作成する。 |
第14回 | 11/25(月) 発表会 | 教養卒論最終稿の提出 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ概ね100分を目安に行うこと。
戸田山和久『最新版 論文の教室』,NHK出版,2022.
木下是雄『理科系の作文技術』,中公新書, 1981.
提出課題(60点)およびピアレビューへの取り組み(40点)から採点する.
優れた教養卒論は表彰する.不正行為である剽窃をソフトウェアでチェックする.
非リアルタイム・ピアレビューおよび発表会は必須とする.
欠席3回以上で単位認定不可(公欠事由に該当する場合は担当教員に相談すること).遅刻2回で欠席1回とカウントする.15分以上遅刻すると入室できない(欠席となる).
3年生以上のみ受講可.
kitamura.k.af[at]m.titech.ac.jp
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