本授業科目では,機械工学分野の中でも材料力学・熱力学・機械力学・流体力学に関する最も基礎的な事項を演習と実験を通じて学習し,機械系の必修科目の講義で学習した事項の理解を深める.実験では,「材料の引張変形と破壊」,「熱電発電と熱サイクルのエネルギー変換効率」,「1・2自由度系の自由振動」,「流体のエネルギー保存と流れの可視化」を行う.
演習と実験を通して学ぶべき内容は,次の通りである.5~8の項目については,初歩的な事項を扱う.
1. 材料の引張変形と破壊
2. 熱電発電と熱サイクルのエネルギー変換効率
3. 1・2自由度系の自由振動
4. 流体のエネルギー保存と流れの可視化
5. 実験レポートの作成方法
6. 課題設定力,実践力および解決力
7. データ収集・処理方法
8. 考察の仕方
本講義を履修することによって座学からだけでは学ぶことができない次のような能力を修得・体得することが到達目標である.
1.材料の荷重と伸びの関係を測定し,測定結果から応力,ひずみ,縦弾性係数,降伏応力,引張強さが計算できる
2.熱電発電の原理を理解し,熱サイクルのエネルギー変換効率を計算できる
3.1自由度および2自由度振動系の自由振動実験と打撃試験において,振動変位を測定し,固有振動数と振動モードを推定できる
4.測定した流体の流速・圧力の変化から,エネルギーの保存則が理解できる.物体周りの流れを観察を通じて流れの特徴を捉えられる.
5. 実験レポートの作成方法の初歩的な事項を理解している.
6. 課題設定力,実践力および解決力の初歩的な事項を理解している.
7. データ収集・処理方法の初歩的な事項を理解している.
8. 考察の仕方の初歩的な事項を理解している.
この科目は,学修目標の
4. 【展開力】(探究力又は設定力)整理及び分析できる力
6. 機械工学の発展的専門学力
7. 専門知識を活用して新たな課題解決と創造的提案を行う能力
の修得に対応する.
本講義を履修することによって次の能力を修得・体得する。
1)座学からだけでは学ぶことができない機械工学の基礎的側面についての説明能力
2)機械工学の基礎的課題に対する実験方法
3)データ取得方法およびまとめ方の基礎
4)実験結果に対する考察の仕方
5)レポート作成方法の基礎
材料の変形と破壊,熱エネルギー変換,自由振動,流体のエネルギー保存
✔ 専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
第1回のオリエンテーションでは,学生実験に対する心構えおよび注意事項と,実験レポートの執筆要領を説明する。第2回目と第5回目には,受講学生を2グループに分け,本授業科目で実施する実験に関連した演習を実施する。第3・4回目および第6・7回目は,受講学生を4グループに分け,各実験テーマを実施する。レポートは期日までに提出しなければならない。なお,安全やスムーズな進行のためにも事前に実験マニュアルをよく読んでくることが求められる。
授業計画 | 課題 | |
---|---|---|
第1回 | オリエンテーション | 講義の概要とねらい,実験の進め方,レポートの書き方などを理解する。 |
第2回 | 材料力学・熱力学演習 | 第3・4回目の実験で必要となる材料力学と熱力学の基礎を復習する。 |
第3回 | 材料の引張変形と破壊に関する実験 | 材料の荷重と伸びの関係を測定し,測定結果から応力,ひずみ,縦弾性係数,降伏応力,引張強さを計算する。 |
第4回 | 熱電発電および熱サイクルのエネルギー変換効率に関する実験 | サイクルによらない発電法の実験およびスターリングエンジンの基礎特性を理解する。 |
第5回 | 機械力学・流体力学演習 | 第6・7回目の実験で必要となる機械力学と流体力学の基礎を修得する。 |
第6回 | 1自由度系自由振動および2自由度系自由振動に関する実験 | 1自由度および2自由度振動系の自由振動実験と打撃試験において,振動変位を測定し,固有振動数や振動モードについて理解する。 |
第7回 | 流体のエネルギー保存と流れの可視化に関する実験 | 流体の流速・圧力の変化を測定しエネルギーの保存則を理解すると共に,物体周りの流れを観察を通じて流れの特徴を捉える。 |
学修効果を上げるため,教科書や配布資料等の該当箇所を参照し,「毎授業」授業内容に関する予習と復習(課題含む)をそれぞれ本学の学修規程で定められた時間を目安に行う。
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特になし
全べての授業に出席し,全ての実験を履修し,全てのレポートを提出することが単位取得のための前提条件である.
成績は,実験時の主体性・貢献度(30%程度),および,レポート(70%程度)から総合的に判断する.
材料力学(MEC.C201.R),熱力学(MEC.E201.R)を履修していること.あるいは,それに相当する知識を有することを条件とする.