相転移・臨界現象の理論は,統計力学の格好の応用例である。本講義では,相転移の理論を概観した後,平均場理論の様々な形態を紹介し,スケーリング理論やくりこみ群理論について詳述する。さらに,対称性の果たす役割や可解模型,量子相転移についても最近の知見を交えながら解説する。非平衡系の統計力学についても,線形応答理論や相反定理などの確立した分野にとどまらず,ジャルジンスキー等式や揺らぎの定理など最近の発展についても講述する。
平衡および非平衡状態の統計力学を深く理解し,様々な現象の解析に応用できることを目指す。
相転移 臨界現象 くりこみ群 非平衡 揺らぎ
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
講義形式
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 相転移理論の概観 | 相転移とは何かを説明できるようになる。 |
第2回 | 相転移の基礎 | 相転移を特徴付ける量について説明できるようになる。 |
第3回 | 平均場理論の基礎 | 平均場理論の考え方について説明出来るようになる。 |
第4回 | 平均場理論の応用 | 平均場理論を簡単なモデルに適用出来るようになる。 |
第5回 | ランダウ理論 | ランダウ理論の考え方について説明できるようになる。 |
第6回 | 動的臨界現象 | 動的臨界現象の静的な場合との違いを説明できるようになる。 |
第7回 | 可解模型の例 | 可解模型の例を挙げ、基本的な特徴を説明できるようになる。 |
第8回 | スケーリング理論 | スケーリング理論を簡単な例に適用できるようになる。 |
第9回 | くりこみ群の基礎 | 繰り込み群の基本的な考え方について説明できるようになる |
第10回 | 実空間くりこみ群 | 実空間繰り込み群を簡単な例に適用出来るようになる。 |
第11回 | 運動量空間くりこみ群 | 運動量空間繰り込み群を簡単な例に適用出来るようになる。 |
第12回 | 連続対称性のある系 | 連続対称性のある系の例を挙げ、不連続対称性のある系との違いを説明できるようになる。 |
第13回 | 量子系の相転移 | 量子相転移と熱的相転移の違いを説明出来るようになる。 |
第14回 | 非平衡現象の基礎 | 非平衡系と平衡系との違いを説明できるようになる。 |
第15回 | 非平衡統計力学の発展 | 非平衡系統計力学の最近の進展について説明できるようになる。 |
別途指定する
授業で紹介する
期末試験等による
上記関連科目を履修していることが望ましい