「計算」の基本要素は,原理的には,四則演算と計算結果が 0 であるかの判断,そしてその繰り返しだけである.このような,ごく単純な演算の組合せが「計算」としてコンピュータ上で実行されるのである。コンピュータサイエンスは,我々がやりたいこと,分析したいことを,いかにして「計算」という形で表し,コンピュータで実行できるようにするか,を研究する学問である.本講義では,「計算」という見方で物事を分析する手法の基礎となる考え方や技術を学ぶ。それらは仕事や研究でコンピュータを使う際の基礎となるだけでなく,物事を分析する上での重要な道具となるだろう。
本講義を履修することによって次の能力を修得する。
1) 様々な対象がコンピュータ上で,どのように 2 進列として表され,そして処理されるかを説明できる。
2) どのように計算がプログラムとして表されるかを理解する。
3) プログラミングにおける基本概念,つまり,変数,分岐,繰り返し,配列,サブルーチンなどを説明できる。
4) ハードウェアシステムとして,そしてソフトウェアシステムとして,コンピュータの基本構造を理解する。
デジタル化,計算の原理,コンピュータの仕組み,プログラム,プログラミング,ソフトウェア,オペレーティングシステム
専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
講義とプログラミング演習を,ほぼ交互に行います。毎回の講義・演習の場所に注意してください。毎回の講義,演習では,理解を確認するための宿題やレポート課題を出します。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 計算の基本の導入:デジタル化,計算の基本要素,プログラム | 単純な処理に対する基礎的なプログラムの作成 |
第2回 | 計算の基本要素を用いたプログラミング演習 | コンピュータ上でのプログラムの作成と実行方法の理解 |
第3回 | プログラミングの基本:配列 | 配列の意味と使い方の理解 |
第4回 | 配列を用いたプログラミング演習 | 配列を使ったプログラムの作成 |
第5回 | プログラミングの基本:文字列,サブルーチン | 文字列とサブルーチンの意味と使い方の理解 |
第6回 | 文字列,サブルーチンを用いたプログラミング演習 | 文字列処理をサブルーチンを使って行うプログラムの作成 |
第7回 | コンピュータの仕組み,コンピュータ上のソフトウェアシステムの仕組み | コンピュータとソフトウェアシステムの基本的な仕組みの理解 |
第8回 | 授業のまとめ | 講義と演習を通して体験した計算の基礎を復習する。 |
指定なし。
渡辺治,コンピュータサイエンス,丸善サイエンスパレット,2015, ISBN 978-621-08972-9.
その他の資料は講義中に配布するか,もしくは事前に OCW-i にアップする。
成績は課題に対するレポート (約70%) と期末試験 (約30%) により評価する。
履修条件は特に設けないが,情報リテラシ第一 (LAS.I111) を履修していることが望ましい。