本講義は、高校の「生物」を未選択であることを前提として基礎から平易に教授するとともに、先端的なトピックスを紹介することで基礎知識と応用研究との関連を理解できるようにする。「生命科学基礎第一1」で学んだセントラルドグマの復習をするとともにより詳細な内容を解説し、また細胞シグナル伝達・膜間輸送、バイオ情報解析、タンパク質の構造と機能、酵素、動物の形態(組織・器官)の基礎を網羅し、生命の根幹を成す仕組みを先端的トピックスであるシステムズバイオロジー・ゲノム創薬などの解説も交えながら概説する。第8回は1-7回までの各項目に関する演習を行い、修得した知識を再確認する。
本講義のねらいは、現代のあらゆる理工系分野で必要とされている、生命科学の基礎知識を身につけるとともに、先端的トピックスにも触れることで、実社会への知識の有効活用を意識させることである。
生命科学の基礎を理解し、広範な専門分野を学ぶ上での基盤とする。それにより、学際領域で活躍できる人材となる。また一般教養として、生命の仕組みの基礎を理解し、説明できるようになる。
生物、ゲノム、バイオインフォマティクス、酵素、器官
✔ 専門力 | ✔ 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
教科書とパワーポイント、配布資料を用いる。8クラス(日本語)と1クラス(英語)に分けられ、各クラスごとに週1回行う。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | DNA複製と修復 | DNA複製と修復の基本機構を理解し、説明できる |
第2回 | 遺伝子発現と制御 | 遺伝子発現とその制御の基本機構を理解し、説明できる |
第3回 | 細胞における情報伝達:細胞シグナル伝達と膜間輸送 | 細胞間・細胞内の情報伝達の基本的な仕組みを理解し、説明できる |
第4回 | バイオ情報学:ゲノム情報解析、システムズバイオロジー、ゲノム創薬 | バイオ情報学とは何かを理解し、何の役に立つのかを説明できる |
第5回 | タンパク質の誕生と分解:翻訳、修飾、フォールディング、分解 | タンパク質の合成から分解までの基本的な仕組みを理解し、説明できる |
第6回 | 酵素と基礎化学反応論:触媒としてのタンパク質 | 化学反応論の基礎、および触媒としての酵素を理解し、説明できる |
第7回 | 動物組織・器官の機能と構造、構造タンパク質(コラーゲン・ケラチン) | 動物の組織と器官の概要を説明できる |
第8回 | 総合演習 | 7回までの講義内容を相互に関連付け、概略を説明できるようになる |
スター「生物学」(東京化学同人)
適宜配布する。
筆記試験により、講義の理解度を評価する。
この科目は「履修前提条件付き授業科目」で,「履修前提科目」は「生命科学基礎第一1」,「生命科学基礎第一2」である。「生命科学基礎第一1」,「生命科学基礎第一2」の単位を修得しなければ,この科目の単位は卒業に必要な単位として取り扱わない。
生命科学基礎第一1と生命科学基礎第一2を履修済みであること。