本講義ではクーロンの法則から出発し,静電場と静磁場について講義する。
電磁気学は自然を理解するための重要な学問である。また,専門コースでの理学,工学,生命科学を学ぶ上での必須の基礎学問である。本講義では,電荷がつくる電場と電流がつくる磁場の概念と,その数学的記述を修得し,これを基に電気磁気現象を理解し,未知の電気磁気学問題を解く能力を養う。
本講義を履修することにより,以下の知識と能力を修得する。
1) 電場,電位,静電エネルギー,磁束密度,磁気モーメントなどの概念を正しく理解し,数学的に表現できる。
2) 電場に関するガウスの法則とビオ・サバールの法則を正しく理解し,電場や磁束密度を求めることに応用できる。
3) 方程式で表された電気磁気学問題の数学的解を求めることができ,数学的解が意味する物理を説明できる。
クーロンの法則,電場,ガウスの法則,電位,導体,コンデンサー,電気容量,静電エネルギー,電流,磁気力,磁束密度,磁気モーメント,ビオ・サバールの法則
✔ 専門力 | 教養力 | コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
各講義の2/3は基礎的内容について,残る1/3は発展的応用的内容についての解説に充てる.講義内容の確実な理解と応用力を養うために,講義内容に関連した演習問題を物理学演習第二で出題する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 電荷とクーロンの法則(電荷、電荷保存則、クーロン力、電場の導入) | 電荷に作用するクーロン力を計算し、電場との関係を説明せよ。 |
第2回 | 電場とガウスの法則(電場の計算方法、ガウスの法則の導出) | ガウスの法則を導出し、その意味を説明せよ。 |
第3回 | ガウスの法則の応用(ガウスの法則を用いた電場の求め方) | ガウスの法則の応用例を1つ示し、それを使って電場を計算せよ。 |
第4回 | 電位(電位とその計算方法、電位と電場の関係) | 電位とは何か説明し、電位と電場の関係を書け。 |
第5回 | 導体(導体内外の電場と電位、静電遮蔽) | 平衡状態での導体内の電場と電位を説明せよ。 |
第6回 | コンデンサーと静電エネルギー(電気容量、電場のエネルギー) | 平行板コンデンサーの極板間に蓄えられるエネルギーを求めよ。 |
第7回 | 電流とそれに作用する力(電流密度、磁束密度、磁気モーメント) | 電流が流れる平行導線間に働く力を説明せよ。 |
第8回 | ビオ・サバールの法則(ビオ・サバールの法則を用いた磁束密度の計算) | ビオ・サバールの法則を説明せよ。 |
田中秀数、基礎物理学課程 入門コース「電磁気学」、培風館(2400円)
兵頭俊夫、裳華房テキストシリーズ「電磁気学」、裳華房(2600円)
J. D. Jackson(西田稔訳)、「電磁気学(上)」、吉岡書店(9500円)
到達度を期末試験により評価する。
履修の条件を設けない。