「多様性」の理念は現代において、私たちの生活や、学術や専門的分野の場においても、ますます必要とされている。多様性を受け容れられる社会の構築のためにまず求められるのは、一人ひとりが自分と異質な他者との対話をし、そして多文化との共存を楽しみながら主体的に関係性を発展継続していく態度を養うことである。
この授業の特徴的なねらいは、国籍や出身地域、使用言語、文化的背景を異にする学生同士が互いに理解し合い関係を築くため、アートの視点を導入することである。アートに造詣が深い河合政之氏(ヴィデオ・アーティスト)と説田礼子氏(エルメスジャポン、キュレーター)の監修の元で、使用言語の違いの影響をなるべく最小限に留めながら、多様性の表現や多文化理解に資するため、チームでのコンテンツ制作に取り組み、最後にそれらを公開発表し、更なる議論の土台とすることを目標とする。
1.東工大の留学生をはじめ、多様性をもつ人々との関係性を築くことに積極的な姿勢を持てるようになる。
2.アートによる文化理解の考え方を深めると共に、アートと理工系の双方のアプローチの共通点と相違点をめぐって気づきを得ることができるようになる。
3.制作活動を通して、多文化環境の下での協働作業を経験できる。
多文化理解、アート、留学生、国際共修、ワークショップ、チーム制作活動
専門力 | 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | 展開力(探究力又は設定力) | ✔ 展開力(実践力又は解決力) |
全7回で行われる授業は、自己紹介と講師の活動紹介、ワークショップ(チームによる話し合いやフィールドワーク)、制作物の公開発表を含む。グループワークでの学生同士のコミュニケーションや外部講師との連絡は、授業全体を通して担当教員が行う。教室は本館 H105 で実施する。
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | 2022年10月13日(木)13:45-15:25。 講師の活動紹介と、参加者の自己紹介。 | アートとは何か?という講師の問題提起のもと、受講者はアートへの関心や自身の体験を語る。 |
第2回 | 10月13日(木)15:40-17:20。 ワークショップ1。前回の話し合いをもとに、講師が問題提起をして、ディスカッション。 | 全体的なテーマを決定し、班分けを行い、受講者は次回以降制作する方法について話し合う。 |
第3回 | 10月20日(木)13:45-15:25。 ワークショップ2。前回の話し合いをもとに、班ごとに時間内でできる簡単な制作をおこなう。 | 受講者はチームごとに作ったものを見せ合って、講評し合う。 |
第4回 | 10月20日(木) 15:40-17:20。 ワークショップ3。前回の制作と話し合いをもとに、講師が問題提起をおこない、さらに問題への取り組みを深めていく。 | 新たに全体的テーマ・班分けを設定し直した後、受講者は、前回よりは複雑な制作物/コンテンツに向けてコンセプトを構築・発表する。 |
第5回 | 10月27日(木)10:45-12:25。 ワークショップ4。 制作活動の続き。 | 受講者は前回発表したコンセプトにしたがって制作を行う。 |
第6回 | 10月27日(木) 13:45-15:25。 ワークショップ5。製作活動の続き。最終発表の準備。 | 受講者はさらなる制作に取り組む。最終日の発表に向けてプレゼン方法を構築する。 |
第7回 | 10月27日(木) 15:40-17:20。 成果発表と講評、授業で問われた問題(アートとは何かや多様性をどう受け入れるか)のふりかえり。 | 受講者は作品の成果を公開発表し、みなで講評・ディスカッションを行う。 |
講師が適宜、指示・配布する。
講師が適宜、指示・配布する。
グループ・ワーク等における取り組みの様子と、最終発表の内容をみて総合的に評価を行う。最終発表の際には、グループ内での個々の役割と貢献部分を必ず明確化すること。
事前レポート課題として、10月7日(金)までに「私とアートとの関わり 私にとってのアートとは」と題したエッセイを履修者は提出してください。(提出期限に間に合わない場合は応相談)授業は対面で教室にて実施します。履修者は20名程度とします。言語能力を問わず、国際交流に興味のある学生の積極的な参加を歓迎します。