哲学、デザイン論、テクノロジーの概念の融合を意図する。「未来を形作るためのデザイン」の役割、責任、実践等を考えることを目的とする。具体的には、 デザインはどのようにノンヒューマンな主体(人工物、物質、ロボット、重量、風等)と関わりを持つことができるのか?テクノロジーと人間の相互作用を再考するためのデザインの展開は可能であるか?などを考える。
ねらいで述べた問いに答えることにより、人間中心に形作られてきた今までのデザインを再考する。とりわけ、デザインと機械のノンヒューマン主体の相互関係について考える。デザイナーはものを作るのみでなく、コンセプトを生み出すシンカー(考える人)でなくてはならない。ポスト・アントロポセンにおいて、人間とノンヒューマンにおけるヒエラルキーをデザインし直すことが必要とされている。ひいては、現在を再構成し、再び焦点を合わせ、再評価し、再びデザインする一連を理解できるようにする。
デザイン
ポスト・アントロポセン
未来を形作る
スペキュレーション
ノンヒューマン
専門力 | ✔ 教養力 | ✔ コミュニケーション力 | ✔ 展開力(探究力又は設定力) | 展開力(実践力又は解決力) |
集中講義
授業計画 | 課題 | |
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第1回 | ポスト・アントロポセンを考えるためのツール: ポスト・アントロポセンの理論について理解を深める。同時に、テクノロジーが人間と社会をどのように形作っているかについて知る。語りや実践の重要性を再認識し、インテリジェント機械やデジタルの不確実の増加が特徴づける現代社会において何が人間であると知らしめることができるかについて考える。 | - |
第2回 | 人間対機械のナラティブ: 現在の主要なコンピュテーションのモデルの批評を読み、「アルゴリズム」を現代の文化的なものとして取り扱い分析を行う。同時に、人間の機械との出会いを構成し、現在でもテクノマジックにおける現在のナラティブにおいて影響を与え続けている文化的・歴史的な流れをみていく。さらに、18世紀におけるアルゴリズムによる自動化(オートマトン)における良い面と悪い面の両方を検証し、 有生物と無生物との関係について考察を行う。 | - |
第3回 | 世界規模のコンピュテーションとデジタル化の不確実性: アルゴリズムの自律性が増加しコンピュテーションにおける予測不可能な事態をもたらす可能性のあるデジタル化の不確実性について検証する。具体的には、AIや機械学習などを含むソフトウェアスタディーズやデジタルカルチャーの分野をみていく。デジタル化の不確実性がバーチャル空間におけるデザインを構築する可能性があることを提唱する。 | - |
第4回 | 未来をデザインする: スペキュラティヴ 、ストラテジー、フィクション、未来を形作ることクリティカルデザインを概観し、より良い未来のために戦略的なツールとしてデザインがどのように用いられるかについて考える。アンソニー・ダン&フィオナ・レイビーのスペキュレイティブ・デザインをベースに、ミスメイキングデバイス(神話を形づくる仕掛け)、ワールドビルディングメソッド(世界を構築する方法)、異化テクニック を見ていく。デザインが未来を形作る 戦略的なインテリジェンスとなりうるであるということを提唱する。 | - |
第5回 | 人間と機械の相互作用: 有生物と無生物の再構 について概観する。前回の講義で取り扱ったミスメイキングテクニックを使って、増加する意思のある機械と人間がどのように関係を再構築すれば良いのかについて再考する。具体的には、アニミスティックデザインにおける擬人化やかわいい遊び心の側面に目を向けないことによって、『何かを作りながらおこなわれる調査』というアプローチになりうる可能性があることを提唱する。 | - |
第6回 | - | |
第7回 | - | |
第8回 | - |
特になし、資料配布
特になし
出席、議論への貢献、課題提出
特になし 英語